一報はすぐに庚申の下へと届けられた。
「やはりか……」
「どうした庚申」
「悪い予想が当たりましたわ」
先発隊自体が秘匿され、無かった扱いにされた。そもそも合流自体など話はなく、後発としたのが実際には本隊であり、進行する道もまったく違う。
それどころか、現在先発隊に居る面々は本来討伐隊に不参加となっているそうだ。何者かの差し金である。用意周到に策を張られている。
しかしながら命令書と証言をする証人がいる。後は鬼ヶ島に上陸し討伐した功績があれば良いのだ。
そう考えた庚申は傷が癒え次第出発を提案する。
「しかし庚申様、船はどうされますか?」
「軍勢ならまだしも、この人数なら漁船でも充分ですやろ。それに関しては手筈は整えてますから、心配無用ですわ」
「しかし庚申この手勢で攻め切れるか」
「逆ですわ。この手勢を逆手にとって根城を強襲、後に籠城戦仕掛けます」
「また無茶苦茶だな」
「そもそもこの手勢で勝ちきるのが無理な話ですわ」
「負けず勝たずか」
「ただ皆さんの力量があればですけどな。一人でも欠けたらほんま厳しいですわ」
「ただ上陸後の最大の障壁は尾上と金男ですね。ただ今度こそ金男はわたしが必ず討ちとります」
「その二人は先の戦いで、己の力不足ゆえに逃げられました。此度も前回と同じくお涼様に譲りたいと申し上げたいところですが、今回もし当たるならば全力で向かい討ちます」
「いやいや今度は全員で当たりますからな。逃がすんは色々まずいですからな」
「わかりました。あたるであれば皆様……よろしくお願いします」
一行は後発の待つ必要が無くなった。傷を癒した後に本隊の動向に注意を払いつつ鬼ヶ島を目指すのであった。