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原作も読んでいて、映画を見に行くことは私は少ないので
どんな経験かしら?と期待と不安を募らせつつ見に行ってきました。


長いですからね~原作。あれを2時間10分にまとめあげるのが、
まずすごい!と思いました。
ポップな色調に、はじめは「ついていけぬ~」と
思いましたが、見事に原作の世界を体現してたと思います。
本を読んでると、「あ、この話こんなあっちゅう間?」
というのもありましたが、歌って踊ってのミュージカル仕立てに
時代背景(オイルショックやユリ・ゲラーの登場)も
描かれていて、なるほど~と。ポケベルも今となっては懐かしいですね。


スマステーションの「月イチゴロー」で稲垣ゴローちゃんも
言ってた事ですが、中谷美紀さん、この映画で女優人生かけてますよ!
だって・・「電車男」のエルメスさんですよ。
その彼女が「変顔」するし、最後にはあんなことに~!
中島監督と相当衝突しながら映画を撮ったという話は聞きましたし
公の場でも二人の間に険悪なムードが漂ってるのを目撃したんで
なんだか他人事ながら心配してたんですが、
それだけぶつかり合いながら撮ったからこそかと思いました。
公開初日、二人が和解したという話も聞きましたしね。


原作と比べてちょっと私が気になったのは・・
龍洋一(伊勢谷友介)の描かれ方かな~。
松子の晩年がワンポイント違いますが
本のままだとかなりハードなんで、あれで良かったのかなと。
それと途中で笙(瑛太)の父親、つまり松子の弟・紀夫(香川照之)が
笙に松子がやったことを端的に話すシーンがあったので
原作読んでる人はともかく、映画ではじめて松子を知る人には
あそこであの台詞はなかったほうがもしかして
ネタバレになんなくて良かったんじゃないかと。

でも「天才・中島監督」の意図が凡才のワタクシめには
読み取れないだけかもしれませんけどね・・
(あ、これ中谷さんの言葉を借りてます)


ちょっと長く感じるところもありましたが、最後は泣けました。
松子は父親に愛されたかった。ただ一人の男性とあたたかな家庭を
築きたかっただけなのに。人生はやり直しがきかないんだ・・
原作を読んだとき、まるで松子が実在の人物のように思えて
悔しくて泣けてしまったのですが、その気持ちがよみがえってきました。


いや~しかし、ほんとひとつひとつのシーンが手がかかってるのに
パパッと終わっちゃうのでもったいない感じ。
ゴージャスだなよなぁ。もっとじっくり見たい。
ゴージャスといえば、ちょい役のメンツもかなりすごいので
これから見る方、楽しみにしててくださいね~。