アカデミー賞の外国語映画賞を獲った作品。
実話が基だそうですが素晴らしかったです。
25歳の時水泳中事故に遭い四肢が麻痺し、ベッドの上での生活を
余儀なくされるようになったラモン(ハビエル・バルデム)は
尊厳死として薬物で自らの命を絶ちたいと願う。
ハンディのある生活をして28年目のことだ。
しかし誰かがラモンの死を手伝うとすれば「自殺幇助」の罪に問われる。
ラモンは尊厳死を支援する団体のジェネ(クララ・セグラ)、
自らも病に悩む弁護士フリア(ベレン・ルエダ)の協力を得て法に訴えることに。
「他人に力を借りないと生活できないから涙はかくしておくようになったんだ」
というラモンは頭が良く皮肉屋でもあるが、同時に心温かい人間である。
実在したラモンもハンサムで賢く、女性にももてたそうだ。
自分の死を自分で選ぶことは悪。熱心なカトリックの国で
あればあるほどその傾向が強いのかもしれない。
けれど制限された暮らしを強いられる人に
『生き続けることにこそ意味がある!』と励ますことは正しいのだろうか?
ラモンは「生きているのは私にとって権利でなく『義務』だった」という。
「生を受けたからには」という周りの押しつけによって
彼が生存し続けるならば一個人の彼の自由はまったくない。
が、家族の立場からすると、本人の意思は頭ではわかっていても
いざその段になると臆してしまうのではないかと思う。
ましてや愛する者の死ぬ手伝いをするとなると。
この辺は森鴎外の「高瀬舟」を思い起こしたりしますが・・
ラモンが深い森の上を通って大好きな海へと飛ぶ夢想のシーンがあるのですが
カメラワークが抜群で客席にいる私までラモンと
一緒に飛んでいる錯覚に陥りました。ただただ感動。
この映画の良い点は他の登場人物にも残らずスポットが当たっているところ。
妻フレアに献身的な愛を捧げる夫、陽気で辛抱強く物事に当たる前向きなジェネ
ラモンの家族、兄嫁・兄・父の顔には深いしわが刻まれているがそれぞれに魅力的だ。
尊厳死には各自違う意見だが、ラモンを深く愛しているからに違いない。
甥のハビには厳しいことを言うラモン。息子同様に彼を思っているゆえだ。
ラモンの生まれ育ったのはガリシア地方。農・漁業が主。
スペインというと派手で情熱的という印象が先走るが、
ガリシアは特殊な場所で、雨が多く海に近い。森やなだらかな山々など条件的に
憂いを含んだ情緒的な人間が育ちやすいらしい。(パンフレットによる)
ラモンの家族を見て納得した。
それにしても青酸カリで死を遂げるラモンの最期の映像が
98年スペインのテレビで放送されたと知ったときは驚いた。すごい国ですね。
まぁよい映画ってのは私がどうこう言うより見てもらうのが一番なんです。
ここまで書いておいてなんなのだけどm(__)m
注・これを書いたときまだパンフを読みかけだったのですが、ラモンが飛ぶのを夢想するシーンは
ヘリコプターにカメラをつけて撮影したんだそうです。それであんなリアルだったんだなぁ。
一応、新映画日記アドレスは
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Cinema/1964/sindiary.html
実話が基だそうですが素晴らしかったです。
25歳の時水泳中事故に遭い四肢が麻痺し、ベッドの上での生活を
余儀なくされるようになったラモン(ハビエル・バルデム)は
尊厳死として薬物で自らの命を絶ちたいと願う。
ハンディのある生活をして28年目のことだ。
しかし誰かがラモンの死を手伝うとすれば「自殺幇助」の罪に問われる。
ラモンは尊厳死を支援する団体のジェネ(クララ・セグラ)、
自らも病に悩む弁護士フリア(ベレン・ルエダ)の協力を得て法に訴えることに。
「他人に力を借りないと生活できないから涙はかくしておくようになったんだ」
というラモンは頭が良く皮肉屋でもあるが、同時に心温かい人間である。
実在したラモンもハンサムで賢く、女性にももてたそうだ。
自分の死を自分で選ぶことは悪。熱心なカトリックの国で
あればあるほどその傾向が強いのかもしれない。
けれど制限された暮らしを強いられる人に
『生き続けることにこそ意味がある!』と励ますことは正しいのだろうか?
ラモンは「生きているのは私にとって権利でなく『義務』だった」という。
「生を受けたからには」という周りの押しつけによって
彼が生存し続けるならば一個人の彼の自由はまったくない。
が、家族の立場からすると、本人の意思は頭ではわかっていても
いざその段になると臆してしまうのではないかと思う。
ましてや愛する者の死ぬ手伝いをするとなると。
この辺は森鴎外の「高瀬舟」を思い起こしたりしますが・・
ラモンが深い森の上を通って大好きな海へと飛ぶ夢想のシーンがあるのですが
カメラワークが抜群で客席にいる私までラモンと
一緒に飛んでいる錯覚に陥りました。ただただ感動。
この映画の良い点は他の登場人物にも残らずスポットが当たっているところ。
妻フレアに献身的な愛を捧げる夫、陽気で辛抱強く物事に当たる前向きなジェネ
ラモンの家族、兄嫁・兄・父の顔には深いしわが刻まれているがそれぞれに魅力的だ。
尊厳死には各自違う意見だが、ラモンを深く愛しているからに違いない。
甥のハビには厳しいことを言うラモン。息子同様に彼を思っているゆえだ。
ラモンの生まれ育ったのはガリシア地方。農・漁業が主。
スペインというと派手で情熱的という印象が先走るが、
ガリシアは特殊な場所で、雨が多く海に近い。森やなだらかな山々など条件的に
憂いを含んだ情緒的な人間が育ちやすいらしい。(パンフレットによる)
ラモンの家族を見て納得した。
それにしても青酸カリで死を遂げるラモンの最期の映像が
98年スペインのテレビで放送されたと知ったときは驚いた。すごい国ですね。
まぁよい映画ってのは私がどうこう言うより見てもらうのが一番なんです。
ここまで書いておいてなんなのだけどm(__)m
注・これを書いたときまだパンフを読みかけだったのですが、ラモンが飛ぶのを夢想するシーンは
ヘリコプターにカメラをつけて撮影したんだそうです。それであんなリアルだったんだなぁ。
一応、新映画日記アドレスは
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Cinema/1964/sindiary.html