世界体操選手権の個人総合で圧勝し、前人未到の大会3連覇を果たした内村航平選手。


19歳で出場した北京五輪で、鞍馬で2度も落下しながらも、総合2位となり、その大器ぶりで一躍注目を集めました。

北京での試合後のインタビューの印象が今も私の脳裏に焼き付いています。

それが・・・、何を話していたかでなく、意外にも冷静で、それでいてどこかあどけないはにかみと、ちょっと天然ふうの様子。


体操一家で、3歳から体操を始め、トランポリンを楽しみながら体操の空中姿勢やバランス感覚を磨く様子をドキュメンタリーで見たことがあります。少年の頃から、自分のやり方、考え方をしっかり持っていたそうです。


今回も、神経質な様子は全く見せず、いつも自分のリズムで丁寧な準備。世界に敵なしとの前評判にも、まるで人ごとのように気負いを感じません。
それが演技を始めると、しなやかな筋肉で想像を絶する離れ業を次々と見せます。空中を華麗に舞う姿は美の世界。ピタっと着地するまで、ただぽかんと見守るばかりでした。“強さと美しさ”を目指す彼の目標は、22歳になった今、既に達人の域にあるようです。


彼の演技を観ていると、感情の前に驚きの感動が先に来る、自然界から受けるそれと似ています。
ただ眺めているだけで、感動を覚えます。そして、何度も観たくなります。