先日、武蔵村山へ 村山大島紬の板締注入染色 の作業見学へ行ってきました。
板締注入染色とは、柄に合わせて掘られた板で糸を挟み、
強い圧力で締め付け、そこへ染料を流し込むことによって、
掘られた部分が染まり、掘られていない部分は染まらずに白く残す、
と言う染色方法です。
板がたくさん並んでいます。
よく見ると掘られているところに隙間があり、
掘られていないところには隙間が無いことが分ります。
染料を流す前で、糸はまだ白い状態です。
染料を上から流しかけています。
糸が染料を吸い黒っぽくなりました。
熟練した職人さんによる作業です。仕事をする姿は素敵でした。
職人さんがだんだんと減ってきて、以前は町中で分業していたそうですが、
今では殆どの工程をこちらで行っているそうです。
染め上がった糸も見せていただきました。
この白黒が織り上げると柄になるのですね。
整経作業も見せて頂きました。
作業しているのが4代目。左に少し写っているのが3代目。
額の写真の中に居られるのが2代目だそうです。
3代目が仰っていました。親父はいつもここに居る。
私もそのように思いました。
完成した反物や帯を見せていただきました。
無地、縦縞、桜、麻の葉、幾何学模様・・・・
色柄もどれも素敵です。
また、光沢がとっても上品なんです。
そして、とても軽くて、薄くて、硬すぎず、柔らかすぎず、でした。
一反織るのに、染色され整えられた36メートルの経糸(たていと)を1200本使うそうです。
(緯糸はお聞きしませんでした)
(緯糸はお聞きしませんでした)
この1200本の経糸ですが、1本の糸が 50本の蚕の糸 から出来上がっているそうです。
6万本の蚕の糸から経糸が作られたと言うことになります。(溜息)
大切に育てられた蚕が桑の葉を食べ、糸を吐き出し、繭を作ります。
もし蚕が居なくなったら、もし桑の葉が育たなかったら。。。。。
そんなことを考えてしまいました。
今回、板締注入染色による絣の反物が完成するまでの工程を見学させて頂き、
大変勉強になりましたし、またそこから色々な事を考える機会となりました。
今も、着物を通じて自分が成長していることにも気づきました。
知識が増えたと言う意味ではなく、物事への考え方が変わったような気がします。
記念に一反買って、自分の寸法に合わせて誂えたい所ですが、
私が買ったものは針山ひとつです。
この針山ひとつがこれからの私の人生をまた少し違った方向に
導いてくれたら良いなぁと思っています。