お子様は臆病だ。特にテレビを見るとき。
血なまぐさいドラマは苦手だ。サスペンスはNGだ。
テレビ画面の雲行きが怪しくなると、パッと飛び上がってソファの裏に隠れる。
「こわいのはいやだ」
死体が登場すると、それだけで呼吸が止まる。
わずかな流血、暴力描写であっても、お子様の恐怖心はマックスボルテージに達する。
ところがだ。
アニメなら怖くない。
血を流した死体が登場し、銃を乱射し殴り合い、血が噴き出しても、まったく恐怖を感じない。
具体的には、コナンとか鬼滅の刃とかだ。
ううむ、実写版ポワロがだめで、コナンがOK。なぜだ。
参考までに、「CAT SHIT ONE」という、昔のCGアニメを見せてみた。
どんなアニメかというと、フルメタルジャケットの登場人物を、かわいらしいウサギやクマやラクダなどの動物に置き換えてみた、という感じの超ハードコア戦争CGアニメだ。
登場人物が動物になっているだけで、描写と死亡のリアリズムは超本物だ。
だが、「まったく怖くない」という。
お子様に聞いてみたところ、「だってアニメは作り話だよ。怖くないよ」。
納得いくような、行かないような。