カサブランカでの大立ち回りの次の日も、その次の日も、たまたま三連休だったのでマラケシュ(現在は世界遺産)に行くことにして、列車で向かいました。

 

ディーゼルの列車はボックス席で指定された席に座っていると私と同世代のベルベル人の女性が向かい側に座りました。

 

やはり東洋人が珍しいのか、すぐに笑顔で話し掛けてくるものの、今回も当然何を言っているのか皆目分かりません。

 

するとバッグから柑橘を出してきてニコヤカに「食べる?」(これは雰囲気で分かります)

 

遠慮なく頂いて暫くすると、今度はクッキーを出してきて「これも、どうぞ」と。

 

面白いもので、ジェスチャーだけで何とか会話が通じるようになってきました。

 

私の包帯した右手を指差して「それどうしたの?血が滲んでいるけど痛いの?」(と恐らく聞いてます)

 

どうせ通じないので日本語で「いやぁ、昨日の晩、ちょっと、やっちゃって。でも大したことない」と言うと「ふん、ふん」と笑顔の彼女。

 

カサブランカからマラケシュは列車で数時間、彼女は途中で下車していったものの、楽しい3~4時間を過ごしました。

 

今ならフェイスブックの友達申請したと思います。

 

カサブランカが名前通り“白の街”に対し、マラケシュは“赤い街”で、大きな広場にスーク(マーケット)が開かれていて、革の袋に入れた飲水を売る人、大道芸人、いかにもアラビアの蛇使いなど万華鏡のようなアラベスク・ワールドです。

 

その中で大きな素焼きの壺を、これも大きな杓子で掻き混ぜている露店がありました。

 

中を覗くと貝を煮ていて、「こんな海から離れた場所で貝か。しかも巻き貝だから、中に火が通りにくいぞ、きっと」と通り過ぎようとしたら幼い子供を連れた若いお母さんが、その貝を買って子供と一緒に食べ始めました。

 

その美味しそうなことと言ったら・・。

 

基本、食べ物にはイヤシイので、どうしても食べたくなったので勝手なロジックを構築します。

 

・     モロッコの人は先進国の人より体の抵抗力がない。

 

・     一番弱いはずの幼い子供ですら、この巻き貝煮を食べている。

 

・     服装と手荷物からローカルの人と分かるので、頻繁に食べているのに違いない、なのに何ともない。

 

・     健康で30代の男性で先進国育ちの私が食べられないわけがない、

 

ということで買って食べました。

 

そこそこ美味しくて満足したのですが、それは暫くの間だけで、後に地獄を見るのですが、それは別の章で。