先日視聴した漢方セミナーで「小児の慢性疲労」を扱っていました(講師:中本かよ先生)。
自分が出会う患者さん達を思い浮かべながら聞いていました。慢性疲労というと「人間関係やストレスで気力を使い果たしてグッタリ」とか「人並み以上に気を遣う性格のため気力を消耗しやすい」子どもたちがイメージされ、私は漢方的に「気虚」と考えてきました。でもその前段階として、ストレスにあらがう気逆やストレスと闘う気鬱という経過が隠れているのですね。これはセリエのストレス学説に通じる考えです。ですから、目の前では疲れ果てていても、その体から気虚・気鬱・気逆の要素をくみ取り、漢方薬を適用されることが肝要と感じました。
講師の「一見、気虚と思われた子どもの脈を取ってみると、意外にもすごく強い・・・これは怒りだ、気逆だ、とハッとした例がありました。怒りを外に出さず自分の中にため込んで我慢し続けたために気力を消耗してしまったのですね」という言葉が頭に残っています。
参考になった箇所を、備忘録として残しておきます。
▶ 小児慢性疲労の漢方的タイプ分けと方剤
1.気虚型
・補中益気湯(41)
・桂枝湯および桂枝湯加減:桂枝加芍薬湯(60)、小建中湯(99)、黄耆建中湯(98)
・帰脾湯(65)(黄耆建中湯加補中益気湯)
2.気滞型
・抑肝散加陳皮半夏(83)
〜応用:抑肝散加陳皮半夏+茯苓飲、黄耆建中湯合抑肝散加陳皮半夏
・甘麦大棗湯(72)・・・過敏なタイプに
・茯苓飲(69)
・茯苓飲合半夏厚朴湯(116)
・大柴胡湯去大黄 ・・・イライラ・興奮に
3.気虚気滞型
気虚>気滞
・桂枝湯合補中益気湯(桂枝加黄耆湯)
・桂枝加竜骨牡蛎湯合補中益気湯
・帰脾湯(65)
・黄耆建中湯合補中益気湯
気虚<気滞
・抑肝散加陳皮半夏(83)(合黄耆建中湯)
上記を聞いて、気逆 → 気滞 → 気虚という経過を考慮すると、
気逆・・・桂枝湯加減
気鬱・・・柴胡剤
気虚・・・補剤
ですから、この3つを患者産別に使い分けることがコツと会得しました。