文系の伊藤さんと電気の話 -5ページ目

文系の伊藤さんと電気の話

電気製品は電子部品のかたまり!
電子部品を組み合わせれば、自分でも電気製品が作れる!?

 Raspbianのインストール方法が、NOOBSを使うものから、「Raspberry Pi Imager」に変わりました。今まではRaspberry Piを使ってインストールしていたのが、WindowsやMac OSでインストールするようになりました。

 

 方法は簡単です。まず公式ダウンロードページからRaspberry Pi Imagerのインストーラーをダウンロードしてインストール。microSDカードをパソコンに挿して、Raspberry Pi Imagerを起動。あとはインストールしたいRaspbianのパッケージとmicroSDの差している場所を指定すればOKです。microSDカードのフォーマットの心配はありません(64GB以上にも対応)。

 

 注意点はできるだけネットの空いている時間にインストールすることです。Raspberry Pi ImagerはRaspbianをネットから直接ダウンロードしているようです。となるとネットの速度が遅くなると、インストールの時間も長くなると想像が付きます。

 

 もうひとつは、「Raspberry Piを使い倒したい!」という方は、OSの選択欄で「Raspbian Full」を選んでください。具体的には「CHOOSE OS」をクリック、「Raspbian(other)」を選ぶと、「Raspbian Full」が選べます。普通の「Raspbian」ですと、例えばオフィスソフトが入っていません。

 日本の商用電源(コンセントから取れる100Vの電気)が世界的に特殊な点は、一つの国に2つの周波数の電気が流れているところにもあります(交流は波を打つので周波がある)。現代の私たちは意識しませんが、東日本は50Hz、西日本は60Hzです。これは東京で電気を作るときにドイツ製の発電機を使ったため、そして大阪で電気を作るときにアメリカ製の発電機を使ったため、と言われています。どちらかの周波数に統一しようという試みが何回かあったそうですが、うまくいかなかったそうです。

 

 そこで、大昔の人は電化製品で苦労しました。例えば東日本に住んでいた人が西日本に引っ越そうとすると、今まで使っていた電化製品を全て買い直さなければなりませんでした。電化製品は一つの周波数(東日本なら50Hz)にしか対応していないので、仮に西日本へ持っていって使おうとしても、壊れる危険があったのです。

 

 私が子供の頃(1980年代)は「50Hz/60Hz」と書かれたスイッチを切り替えることで、東日本にも西日本にも対応できるようになりました。そして現代ではスイッチすらありません。機械が識別しているのか、どちらでも同じように動く仕組みになっているのか分かりませんが、周波数のことを気にせず電化製品を使うことができるようになりました。

 

 それでも周波数が問題になることがあります。それは電気を電力会社が融通し合うときです。東日本-西日本間で電気をやり合うには、いったん電気を直流に変換しないと、周波数を調節できないのです。ですから融通できる電気の量はどうしても限られてしまいます。

 日本の商用電源(コンセントから取れる100Vの電気)は世界的に特殊です。まず電圧が世界で最も低い100Vです。外国では200V以上の国が結構ありますが、なぜ100Vになったのでしょう?

 

 私が中学生のときに聞いたのは、こんな説です。「日本では性能の高い絶縁材料が製造できなかった。だから高い電圧の電気は扱えなかった」。

 

 電気を扱うには絶縁が必要です。例えば電線は金属線をビニールのような絶縁物でくるむことで、電気が流れても安全に扱うことができます。そこで疑問がわきます。裸電線でも、「がいし」で絶縁すれば、安全に配線できます。「がいし」の材料はせとものですので、日本でも作れるはずです。

 

 大人になってから、別の説を発見しました。『電子工作入門以前』(後閑哲也著、技術評論社)より。

 

 電圧が決定した1910年代、民間に普及していた電気機器はほとんどが100Vの照明用電球であり100V以上の電圧を加えると寿命が著しく短くなってしまうため、100Vで統一したと言われています。

 

電子工作入門以前 電子工作入門以前
2,508円
Amazon

 

 

 言われてみると、電気が日本で利用された用途というのは、ガス灯の代わりでした。つまり明かりがともれば、それでいいのです。それに200Vもの電圧はいりません。確かにこちらの方が説得力があります。

◎光るバーバリウム製作と実験(P20)

 実験のキモは「ワイヤレス送受電モジュール」です。電線不要、モジュールに近づけるだけで電気が流れるのはなぜか? ということを調べるだけで自由研究ができてしまいます。

 注意点は放熱板を貼り付けるとき。熱伝導両面シート(秋月電子通商、通販コード:P-00515など)で貼って、熱を逃げやすくします。

 

 

◎Ichigoバージョン(P24)

 記事ではIchigoJamが使われていますが、micro:bitも利用できるとあります。どうプログラミングすれば、micro:bitでも記事のように動かせるか考えてみると・・・micro:bitの方がプログラミングが簡単なはずです。

 

 

◎ロジックICで動くスロットマシンの制作(P37)

 目を通しておくだけでもいいです。スロットマシンのボタンを押すと、動いていた数字が止まったままになるのは、フリップ・フロップ回路を積んだICのおかげです。マイコンができる前はこういったICを組み合わせて、自分の欲しい機能を作っていました。

 

 

 

 普通Raspberry Piの本というと「Raspberry Piであんなことやこんなことをしてみましょう」という内容になりますが、この本は違います。「Raspberry Piで電子工作をするのは、こんなに難しいんだぞ!」と訴えています。

 

 「対象は初心者に限定」とうたっていながら、正直書かれていることは厳しいですし、難しい概念が突然出てきたりします。さらに紙幅がないのに、Raspberry Piと関係なさそうな無駄な情報が書かれています。

 

 ここまで見るとまるで悪口みたいですが、他のRaspberry Pi本に書かれていないものがあります。Linuxの使い方です(Raspberry Piへ一般的にインストールされるRaspbianはLinuxの一種です)。パーミッションのようなLinux系OSならではの考え方から、コマンドまで一通りのことが書かれてあります。

 

 著者はこの本を読んで「この本のC言語入門を見ても分からない! 自分でC言語入門の本を買ってくる!」と行動する読者を望んでいるように思えます。この本はステップアップのための1段目と考えたほうがいいでしょう。

 

 

 

追伸、私がいまだにRaspberry Piで電子工作をやらないのも、「難しいから」です。IchigoJamやmicro:bitと違って、覚えなければいけないことがたくさんあります。この本を読んで、Raspberry Piの難しさを改めて思い知らされた感じです。

 

 

※次回は『電子工作マガジン』発売日、3月19日の更新予定です。