『電子工作マガジン 夏号』(電波新聞社)の37ページに「IchigoJamのプログラムで扇風機を制御しよう!」という記事がありますが、「予算/7000円」とあってびっくり。「原因は扇風機をつなぐ、電源タップじゃないか?」と思い部品表を見たところ、確かに電源タップにしてはお値打ちのする3730円でした。USB機器に連動してタップの電源が入る、という商品なので、どうしてもこの価格になってしまう様子。
電子工作マガジン 2018年 08 月号 [雑誌]
1,296円
Amazon |
しかし! 記事の本題は「IchigoJamのプログラムで扇風機を制御する」なのですから、それができればよしとして、他の方法を考えてみましょう。
1.ソリッド・ステート・リレーを使う
要はIchigoJamから電気が流れたら、100ボルト電源が扇風機に流れればいいですよね。秋月電子通商から出ている「ソリッド・ステート・リレー(SSR)キット」(通販コード:K-00203)なら、IchigoJamの流す電気に合わせて、100ボルトの電気を流すことができます。
問題は100ボルト電源をむき出しで使うので、感電の危険があります。また熱が出るので放熱(熱を逃がしてやる)しなければなりません。放熱なしで使える電気製品は200ワットまでの、あまり電気を使わないものに限られます。
2.トランジスターを使う
100ボルトにこだわらなければ、100円ショップで売られている3ボルトで動く扇風機を制御するのはどうでしょう? IchigoJamが出す電気の電圧は3.3ボルトですし。しかし扇風機に直接つないでも扇風機は回りません。IchigoJamが出す電流は小さいからです。
そこで別に電池を用意して、IchigoJamが電気を流したら電池の電気を扇風機に流すことにしましょう。この電池の電気を扇風機に流すスイッチに使うのがトランジスターです。
ところがトランジスターでよく使われる2SC1815を使うと、トランジスターが壊れるはずです。扇風機を動かすには大きな電流が必要なので、2SC1815に流してもいい電流を超えてしまうのです。そこで、扇風機のモーターを回す程度なら対応できるトランジスターを使います(型番:2SC2655、通販コード:I-08746)。
3.モータードライバーを使う
フィジカル・コンピューティング(*)の世界では「モーターを動かすには、モータードライバーを使う」とされています。IchigoJam向けのものなら(通販コード:K-11219)などが挙げられます。
確かに配線など考えずに済むので便利なのですが、機能が多いのでそれなりの値段がします。
・・・考えてみた結果、2.のトランジスターを使う方法が一番安くて、危険も少ないと判断しました。あとは秋葉原へ行ったときに欲しいトランジスターがあるかどうか、ですね。
(*)フィジカル・コンピューティング・・・、「センサーで物事を測る」、「モーターを動かす」などのフィジカル(物理的)な作業をコンピューターにやらせること。