コーヒー今の若い人は知らないだろうけれど、北原謙二の
         ヒット曲に「ふるさとの話をしよう」というのがある。
         しみじみとしてとてもいい歌だ。ぼくは東京生まれ
         東京育ちなので、山や海といったふるさとのイメ
         ージがない。夏休みに帰省するという経験もない。
         その代わり学生時代からよく旅行をした。おもしろ
         いもので、旅先で出会う人たちは都会育ちが多か
         った。ふるさとのある人は旅をしようとは思わない
         のかもねえ・・・と、話したものだ。


         宝石赤ふるさとを語る人あり
              相槌を打ちつつ聞いているばかり我
   


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      コーヒー思いがけず入院し、ブログもしばらく休んでしまった。
        数日熱っぽく、咳も出て胸も痛くなったのだが、七月
        十四日から三連休なのでそれまでがんばって職場に
        行き、三連休の初日に病院で診てもらった。ところが、
        そのまま入院だという!!!手ぶらででかけたまま、
        ベッドをあてがわれ点滴をされてしまった。肺炎・・・ 
        きょう(十四日)はフランスの独立記念日、つまりパリ
        祭だなあ・・・なんてことを悠長に考えながら、ポタリ
        ポタリと点滴の落ちる様子を見上げている・・・それ
        から結局二週間の入院。本日なんとかシャバに
        帰ってきた次第・・・いやあ暑い暑い・・・
  

        宝石赤炎天の街眺めつつ入院中
                    これも人生の1ページなり


        宝石赤(四階の病棟から)
         街の灯が消え朝がくる窓辺かな



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      コーヒーこの間、都電に乗る機会があった。子供の頃
        は東京のどこにでもあったものだ。今でも各地
        に残っていて、旅行が好きで「鉄っちゃん」のぼ
        くはそれらにずいぶん乗った。大きな体を揺ら
        しながら走る路面電車は、しかし渋滞も招き、
        効率主義、スピード化の現代では敬遠されが
        ちだが、それでも愛されるのは、単に「1+1=
        2」の世界ではなく、現代人が心のどこかに置
        き忘れたものを持っているからなのだろう。


        宝石赤ラーメン屋行列の数人眺めてる    
                   路面電車の走り過ぎるを



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      コーヒー明日から七月。数年前に本屋大賞を獲った「天地明
        察」では暦を作る苦労が描かれているが、七月の風
        物詩である七夕も現在の新暦だと梅雨と重なってし
        まい天の川も定かではない。つまりはもともと秋の
        行事だったわけで。夏の大三角形を形作ること座の
        ベガとわし座のアルタイルが天の川を隔てて接近
        する天体現象を織姫と彦星の逢瀬の物語に仕立
        てる古え人のゆとりを見習いたい・・・


          宝石赤人生多事ベガアルタイル南中す



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     コーヒーこないだ久しぶりに沼津の友人とケイタイで話をした。
       彼は五木寛之の仏教の本をこのところずっと読んで
       いるので、いつか実際に会ってゆっくり話を聞きたい
       と思っているのだが、その彼は最近、毎日般若心経
       を唱えているという。「仏教のことはなにもわからな
       いけれど気持ちが謙虚になって落ち着くんだ」とい
       う・・・新しい観光名所やさまざまな商品、それに膨
       大な情報が日々提供される現代には、ともすれば
       私たちは自分の「原点」というものを忘れがちだ。
       たぶん友人は般若心経を読むことでその原点を
       感じているのにちがいない。いちど「現代」を離れ
       て、自分が立っている本来の足元を見つめてみる
       ことは、現代人にとって大事なことだと思う・・・


       宝石赤なにものかに追われて生きる
                現代の人々明日に何を見ている



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