あまりに、おもいが大きくなりすぎて、
躊躇ってしまうことがある。
子どもの頃は、何かを言おうとしても、
緊張と興奮で、声が出ないということもあった。
ようやく絞り出した声は、上ずってしまって、
自分のそれではないように聞こえて、
そんな自分が情けなくて、泣きそうになったりもした。
いや、幾度かは実際に泣いたかもしれない。
いま、そんなことをふと思い出したのには理由がある。
作品を書くために、いろんな過去のことを思い出そうとしているからだ。
何か行動や、現象が、事物を思い出せば良かったのに、
なぜか一番最初に思い出したのが、
喉のところまで言葉がせり上がって、
破裂しそうなあの感覚だった、というわけだ。
記憶の操作は上手くいかないもんだ。
過去は変えられないとはよく言ったものである。
ただ、今の僕が、その頃の泣きそうな顔で黙り込んでいる少年だった僕に、アドバイスを送るとするなら、
「落ち着いて、息を大きく吸うんだ。
ゆっくりと。
そしてそれを吐くー。
それはとても自然なことだよ。
緊張は吐いた息の中に溶けるよ。
大丈夫、大丈夫」
とでも言うかもしれない。
だから、
深呼吸をするつもりで、ふたたび、作品に取り掛かろう。
吸った息は吐かなければ。
過去のモヤモヤを吹き飛ばそう。
それが自然なことだと思えるまで。
書けることから。
出来ることから。
