Stell' auf den Tisch die duftenden Reseden,
Die letzten roten Astern trag herbei,
Und laß uns wieder von der Liebe reden,
Wie einst im Mai.

Gib mir die Hand,daß ich sie heimlich drücke
Und wenn man's sieht,mir ist es einerlei,
Gib mir nur einen deiner süßen Blicke,
Wie einst im Mai.

Es blüht und funkelt heut auf jedem Grabe,
Ein Tag im Jahr ist den Toten frei;
Komm an mein Herz,daß ich dich wieder habe,
Wie einst im Mai.

これはドイツリート
Strauss のAllerseelenという歌の詩です


実家は防音ではないのですが
今日は二階で歌いました

さすがに家族や近隣に怒られるかな、と思ったら
母いわく

『どこかでテレビかCDから流れてるんだと思った』

と言われたので、大丈夫そうです…
リートなので、もちろんオペラのような発声はしません

ここまでpp〜mfあたりまで
繊細に使えるようになった今だからこそ
歌うことにチャレンジすることを許されているような…

大切にしているレパートリーで
まだ人前で披露したことはないのですが

ウィルにだけ、届けばいいと思いました


ドイツには万霊節という
日本で言う盆のような日があり
死者が一瞬だけ帰ってきてくれるそうです。

日本語訳つけなくても
たぶん歌い手の表現力がすばらしく、
なんとなく伝わると思うので
ぜひ聴いてください。


…ウィルは
幸せだったでしょうか

私の腕に帰ってきてくれるでしょうか

わからないのです

幸せだったと思いたいだけなのか
未だに自分に自信を持てないのですが

なによりも私が、私のほうが、
ウィルを必要としていたことは確実でした

否応なく
自分の一部が冷たくなっていくような
恐怖のようなものさえ感じています…

あのときは今より気を張っていて
父の死を受け入れるしかなく、
母を支えるために走り回った日々しか記憶にありません。

でも、今回はおそらく
私が、初めて、心から
死という現実を受け入れたくないと
心が拒絶している感じがします。

ウィルの躯を撫でると、
この感触を失いたくないという気持ちと
もうここに体温は宿っていないのだという現実と
同時に襲ってくる

何度もワンコや家族を見送ってきたのに
ウィルとのお別れに動揺している私が
不思議で
仕方なかったのですが

昨日、今日、友だちやブログの皆さんに
メッセージを頂いて痛感したことがあります

私はウィルを
愛していたんですね