今週も!


先週のアレクサンダー・ガジェヴのリサイタルの余韻がまだ残る中ですが、今週は初めてピアニストさんのリサイタルへ行ってきました。


コンスタンチン・シェルバコフ

@浜離宮朝日ホール


ホールから届いたフライヤーで知ったオール=ラフマニノフプログラム。


今年は生誕150周年なのに、あまりラフマニノフ聴いてない!と思ったのです。

先生にお聞きしたところ、ネイガウス派のピアニストですよとの事。


そうなのか!ロシアの方が弾くラフマニノフ、聴いてみたいなと思いチケット購入を決めました。



都会で迷う🐤 


この日、ピアノレッスンを終えてから会場に向かいました。会場、浜離宮朝日ホールは地下鉄大江戸線の築地市場駅そば。

レッスンスタジオの最寄り駅からいける最短ルートだと夕食を取る場所がない事に気がつき、ちょっと寄り道。

そうしたら‥乗り換えで迷いました💦


普段出口が1、2箇所しかない駅を使っている者にはイジメ‥地下とか2階とかやめてー😇


時間に余裕を取っててよかった!無事に目的地に到着しました。ホッ


コンスタンチン・シェルバコフ 



1963年生まれ(60歳ですね)。モスクワ音楽院でレフ・ナウモフ(ゲンリフ・ネイガウスの高弟)に師事。

数々の国際コンクールで入賞、1983年の第1回ラフマニノフ・コンクールで優勝。

技巧派ピアニストとして知られる‥


批評家からは現代のラフマニノフとも。

これは期待が膨らみます✨


ホールにて〜前半 


さて、朝日ホールに到着しホワイエに進むと何やらアナウンスがありました。

曲目変更があった様です。



あらーーー!!

当初は「鐘」で前半の部、「エレジー」で後半の部を始める構成でしたが曲集でまとまり、楽興の時Op.16の3, 4番がなくなっていました。


他にも減ったもの、追加されたもの‥。

プログラム、大きく変わっていました。

どうしたのかな?調子悪いとかご機嫌斜めとかないといいな‥と思いつつ座席に向かいました。


今回は演奏の様子が見える席。

徐々に人が入ってきましたが、平均年齢がとても高い😆私ですら下から数えた方が早そう。


🔸🔸🔸

19:00 開演。 


ステージに照明があたり、シェルバコフ登場。

拍手の中一礼し、ピアノの前へ。

椅子の高さはやや低めの様に見えました。


一呼吸置いてから弾き始める。

変更されたプログラムは幻想的小曲集Op.3より

「エレジー」から。


しっとりと質感のある旋律は想像していた感じ。好きな音です😊


そして「鐘」へ。

冒頭ffの響き、続くpppの和音の対比が美しい。

低音 はとても重く、そして深い。中間部の激しさに息を呑む。


3曲目「メロディ」。

ここまでは比較的軽めに進む印象だったのですが、

次の「道化師」でスイッチが入った様に感じました。軽やかかつ華やかな音が会場を満たし、聴衆を惹きつける。


弾き終え、一礼。拍手の中、再びピアノの前へ。

サロン小曲集Op.10から「ワルツ」、「バルカロール」、「ロマンス」、「ユモレスク」の4曲。


曲ごとに様々な音色が現れる。

どれだけ音色の引き出しを持っているのだろう。

情緒的な「バルカロール」、よかったな〜☺️


そして練習曲集「音の絵」Op.33に移り、第2、5、8、6番を演奏していく。


第2番ハ長調、とにかく美しい✨

第8番ト短調、もの悲しげな音色に心を打たれる。

ラスト第6番、鍵盤の上を手が自在に動き、音の粒が宙に飛ぶ。どんどんのぼり調子になっていく。


ピアノはスタインウェイでしたが、先週聞いてきたガジェヴのスケルツォ3番で聴いた高音域のキラキラとは違う印象。

ガジェヴの音がクリスタルならシェルバコフは陶磁器?上手く表現できないのだけど音に(良い意味での)渋さを感じました。年の功、ですかね?


後半 


前半で徐々に高まった勢いはそのまま後半に引き継がれました。


13の前奏曲 Op.32。

第10番、悲しげな響きが押し寄せてくる。後悔の念の様な想いに駆られる。

そして第12番、旋律の周りを粉雪の様に舞う高音が美しい✨


10の前奏曲Op.23。

ゆったりと温かい音色が印象的だった第4番。

続く第5番はスタニスラフ・ネイガウスのCDでよく聴いてます。ブンチャチャチャ‥の後の中間部が美しい😊

つむじ風の様に音符が舞う第7番、ロマンティックに歌う第6番。最後の音がチャーミング♬


どれをとっても絶品です!


ラストは練習曲集「音の絵」Op.39から。

第5番は和音の美しい響きと情熱的な旋律が胸を打つ。離れて聴いているのに音が側まで迫ってくる様な感覚。

そして第9番の迫力。


ピアノ1台からこれだけの音が出るのかと驚き。

身体全体で放つ音、強い打鍵に見えるにも関わらず美しい。

レッスンを受けてきた直後だったので身体の使い方も見ていました。あ、確かにあの筋肉使ってる!と思うことがありました。


最後の打鍵を終え、両手をかかげる。

客席からは盛大な拍手。


凄い。


これ以上の言葉が見つかりません。

そして途中から呼吸をするのを忘れ見入っていたのか、胸が苦しくなってしまいました‥😅


アンコール 


拍手が続く中、アンコールに応えてくれたシェルバコフ。

1曲目は、当初のプログラムで予定されていた楽興の時Op.16から第3番ロ短調。


響きが絶妙‥。

倍音?豊かな音が聴こえてくる。

あぁ、第4番も聴きたい。このまま続けて弾いて戴けないでしょうか〜と祈りましたが‥流石にね。

残念!


もう一曲はラフマニノフ幻想的小曲集Op.3から「セレナード」でした。



🔸🔸🔸

今回、予習としてアルバムを聴いて行ったのですが、生で聴くと様々なテクスチャーの音、響きを感じることが出来ました。それらを自由自在に操り表現に繋げていく。


技巧派、との紹介があったけれど、超絶技巧はもちろん、音色を作る技巧という面でも優れたピアニストだと思いました。


私の心の中ではアファナシエフと並び、神様の位置におこうと決めました☺️✨

また来日されるときは絶対に聴きに行きます!