楽しみな11月😊


今月は色々頑張ったご褒美


‥でもありますが。


聴きたいリサイタルをポチポチとしていたら12月前半まで毎週出かける事になっていた(早く気がつきなさいって😅)遠征月間が始まりました。


都会住みだったら仕事帰りにふらりと行くことも出来るのでしょうが、それは叶わぬ田舎の民。

厳選し、休暇もセーブ。家族の夕飯も用意して万全の体制で臨んでいます!


第1回目はこちら。推しオブ推し。


アレクサンダー・ガジェヴ ピアノリサイタル

@東京オペラシティコンサートホール

へ行ってきました。


開演まで 


18:30 開場。

入ってすぐの柱には題名のない音楽会から贈られた花が飾られていました💐



ロビーではCD販売が。

今回は購入者は終演後のサイン会へ参加できるとのこと。

そこまで出ると帰りが午前様になりそうだったので断念💦そのままホールへ向かいました。


今回は飛んでくる音を聴きたくて二階席をチョイスしました。全体が見渡せて良いですね!



舞台中央にはシゲルカワイ。そして左端にはもう一台ピアノ(スタインウェイ)があり、調律の真っ最中でした。途中でピアノを入れ替える様です。



当初の予定ではショパンノクターンOp.48-113番)が入っており楽しみにしていたのですが、ご本人の希望により演奏なしとの事に。

ちょっと残念でしたが、聴いてみたらこれで良かった様に思いました。それは前半の部の感想で。


開演、前半の部 


19:00 開演。

ガジェヴからのメッセージがございます‥とのアナウンスと共に照明が落とされました。

「音楽は言葉‥。」から始まるメッセージ。光と影の様に音の前には静寂がある。それを感じて欲しいと設けられた無音の2分間。


しんと静まる中、ピアノに照明が当たり演奏が始まりました。



バッハ フランス組曲 第4番。

温かみのある響きが心地よく、春の陽気を感じる音楽。

萌え出た草花の緑と外遊びを楽しむ子供達。聴いていてその様なイメージを持ちました。


弾き終えて一度立ち上がり、会釈をするとすぐに次のショパンへ。


ノクターンOp.15-1(4番)。

穏やかに始まる冒頭からザワザワとした感情を想像させる中間部の対比がなんとも言えません!

続くOp.15-2 (5番)は夢の中にいる様な心地よさ。


バッハから続けて聴くと、〜20代くらいの青年期、楽しい事だけでなく悩みも抱え出した若者の姿が思い浮かびました。


続くショパン スケルツォ第3番。

序奏、ノクターンで見せたザワザワとした感情がさらに前面に出てくる。オクターブ、和音の重厚さとキラキラと降り注ぐ高音域のキラキラの対比が美しい🥰


段々と濃厚な音楽になっていく。


少しずつ歳を重ね、酸いも甘いも経験しつつ成長していく人間の様だなぁ‥と思ったのです。スケルツォ3番はさながら壮年期でしょうか。


前半ラストは

フランク 前奏曲、フーガと変奏Op.18。


少しテンポ遅めに入った前奏曲、そしてフーガは過去をを振り返る熟年者の様。

後ろ髪を引かれる様な旋律が胸を打ちます。

シゲルカワイの音色が曲にとてもマッチしているなと思いながら聴きました。

そして変奏へ。異なる世界から鳴っている様な美しい響きが飛んできました。これにてひとりの人生の幕が降ろされた‥。


前半、ひとつの物語を見ている様な感覚。最後のフランクで涙腺緩みました。


ノクターン13番は今回プログラムから外れましたが、通して聴いた印象としては変更されたプログラムがしっくりくる様に思いました。

いつか弾いて欲しいですけどね☺️


後半 展覧会の絵 


前半のフランクに魅了され、大満足のワタクシ🐤。

休憩時間はその余韻に浸っていました。


そして舞台ではピアノの入れ替えが行われていました。後半はスタインウェイに。



展覧会の絵はオケVer.をよく聴いていたのですが、もともとはピアノ曲だったのですね!今回初めて知りました‥😅(逆だと思ってました)


さて後半、大きな拍手の中舞台へ登場したガジェヴ氏、ピアノの前に向かうとすぐに演奏を始めました。


物語の始まりを告げるプロムナードは街の中に鳴り響く鐘の様。スタインウェイの音がいいですね!


続くグノーム(小人)は不穏な雰囲気を醸し出し、プロムナードとのギャップを味わえました。小人、というより妖怪‥かな?

プロムナード2を挟んで続く古城、こちら左手はずっと同じ音を刻み続ける(G#かな、間違ってたらすみません)のですが、長い年月を想像させる安定感が良かったです☺️


良いなーと思ったのは第4曲ビドロ(ポーランド語の牛車)。タイトルからすればたくさんの荷を乗せた荷車を重々しい足取りで引く牛‥なのでしょうが、私には苦しみなから日々働く労働者のうめき、の様に聴こえました。

この後のプロムナード4が哀しく響きました‥。


第5曲、卵の殻をつけた雛の踊り。ちょろちょろとかけまわる雛の愛らしさに溢れていました!


リモージュの市場、人々が行き交う市場の活気あふれた様子が想像できる演奏✨

そしてカタコンペ〜死せる言葉による死者への呼びかけで場の雰囲気は一転。陰陽の組み合わせが印象的。その表現が巧みで惹きつけられずにはいられませんでした。


バーバ・ヤガー、そしてラストキエフの大門へ。

ラストに向かってエネルギーが集中して行き、ホールの中にはピアノ1台のみで奏でているとは思えない響きが満たされていくのを感じました。

すごい音量(オケみたい‥)なのに雑味が全くない美しい響きと共に終演。


本当にすごい。

様々な表現を見せていただきドキドキしました。


ガジェヴ氏のリサイタル、これで3回目でしたが、1番良かった✨


弾き終え、椅子から離れ立ち上がったガジェヴ氏に割れんばかりの拍手が贈られました👏👏👏


アンコール 


アンコールはプレリュードづくしの3曲。

3曲目のバッハ/シロティは初めて聴いたのですが美しいですね!弾いてみたいなーと思いました。



会場内は拍手が鳴り止まず、ガジェヴ氏、何度も出てきて下さりました。

素敵なリサイタルでした!


次の東京での公演は来年7月だそうです。

また聴きに行けると良いな😊