こんばんは!
ブログ投稿100話目(番外編を除く)になりました🎉
記念号は前2編に続きピアノリサイタルレポ&所感です。
全て私個人が感じたことをそのまま書いてます。
違う印象を持たれた方もいると思いますが、ご理解くださいませ。
興味を持っていただけたら嬉しいです☺️
行けるのか‥
5月後半、突如発生した台風2号。
南の海上を西へ進み、フィリピン付近まで行ったところで急激にその向きを変えた。
関西公演は週末。状況によっては本州に影響が出そうだ。
飛行機飛ぶかな‥。
台風、上陸したら?とヒヤヒヤしながら連日予報を眺めていたが‥。
週半ばから速度を速めつつ本州南よりの海上を通過する予報に変わっていった。梅雨前線が盾になり、直撃は避けられた様だ。とはいえ一部大雨に見舞われた地域もあり、被害を伝える報道に胸が痛む。
🔸🔸🔸
当日、早起きして羽田空港へ向かう。
幸い自宅周辺は傘が不要な程度の雨に変わった。
一部の鉄道で遅延や運休があった様だが、私の利用する路線は大丈夫だった。
ニュースでは東海道新幹線は午前中東京-名古屋間が運休になったと伝えていた。
予約の際、どちらで行こうか迷ったけれど飛行機にしていたのは好都合だった。色々ついている。
第2ターミナルに到着。
先日入ったばかりのベヒシュタインのグランドを見に行く。
まだ早くて利用時間外だった‥残念。(帰りに覗いたらお子さんが弾いていました。良い音色でした!発表会遠征の時には弾きたいなー)
東海道新幹線の運休を受け、飛行機へ乗り換える人が殺到した模様。出発エリアは混雑。
検査場を通過し、ラウンジで本を読みつつ時間を潰していると機材変更のアナウンスが入った。
大型機で輸送力を上げることにしたようだ。
搭乗口に行くと黄色の機体が!
スターウォーズのC-3PO ANA Jet✨
これまでに何回か見たことはあったけれど乗るのは初めて。ちょっとワクワク☺️
機内は普通の仕様だけれど、アナウンスがC-3POとR2-D2になっている😆
(添乗員の方が、音声の入ったレコーダーを機内放送用の受話器に当て流しているのが見えました)
そして伊丹空港へ。再びご対面、このピアノ🎹
関西は快晴☀️
合わせて計画していた弾き合い会とお喋りの時間を楽しみつつ、夜のリサイタルへ。
江崎皓介ピアノリサイタル豊中公演
2023.06.03 Sat. 19:00
豊中市立文化芸術センター 小ホール。
関西公演の多くはこちらで行われているので、いつもホールで聴ける皆さんが羨ましい。
座席数は関東公演の会場とほぼ同じだけれど、
舞台の幅、奥行きが広く、客席天井もこちらの方が高いので空間に広がりがある。
ピアノは同じスタインウェイ。
地元公演は活気も違う。次々と人が入り、座席はかなり埋まっていた。
聴き比べしたいなと関東公演とほぼ同位置の席で聴くことに。
🔸🔸🔸
開演。
拍手の中舞台袖の扉が開き、先生が舞台中央へ進む。一礼し椅子に座り、一呼吸おいてから手を鍵盤にのばす。
私は6日前に演奏を聴いているのでその時の音が頭にあった。
今回はそれ以上の演奏になりそうだな‥と
1曲目“鐘"を聴きつつ感じ始めていた。
音が伸びていく。
重厚な低音、濁りのない美しい高音がホールに飛ぶ。最初からトップギアに入り、迫力のある音楽で聴衆を魅了する。
その勢いで“東洋のスケッチ"へ進む。
この2曲だけでワクワクしてきた!
スポーツではないけれど、地元開催の安心感ってあるのかも。
"楽興の時 Op.16"
関東公演では少し緊張が垣間見えた第1曲。憂いを帯びた音色で歌い上げていき、官能的ですらある。
第2曲、関東公演で感じたガラスの粒が流れていく様な音楽はそのままに、より高音が美しく空間に舞っている様。超絶技巧をさらりと決めるのは流石!
第3曲で哀しみを歌い、第4曲へ。
前回より迫力が増し、情熱的な響きを聴くことが出来た。
第5曲の舟歌を思わせる温かさと優しさ、第6曲の華やかさ。関東公演で感じた事はそのまま、更にパワーを増しラストへ向かった。
前半の部が終了。
あっという間だった。
休憩時間に声がけした同門の方の目が潤んでいた。
🔸🔸🔸
後半の部に入る。
"リラの花 Op.21-5" 、"ひなぎくOp.38-3"で穏やかで幸せな時間が流れた。
2曲弾いて一度席を立つ。
あらためてピアノに向かい、"断章“ そして
休みなく "ピアノ・ソナタ 第2番 Op.36"へ。
ソナタは1913年、オリジナル版。
調べたらこの曲は1931年にラフマニノフ本人が短く改訂しているとのこと。3楽章で構成されるけれど止まることなく最後まで演奏される大曲だ。
第1楽章、ドラマティックに進む音楽。
迫力があるのに透明感を保った響きに包まれた。
先生の演奏を聴いていつも凄いなと思うのは会場内のこの位置にこういう音、響きを届けたい、という明確な意志を感じる事。
美しい音色、高い技巧を持つピアニストはたくさんいるけれど、先生はそれに加えて音を空間で制御する力に長けた演奏者の1人だと思う。音楽が立体的に聴こえてくるのだ。内声の中に隠れているメロディーを浮かび上がらせ、音楽の楽しさを教えてくれる。
高いところから降り注ぐ音、ストレートに飛んでくる音、周りから包み込んだり足元を震わせながら迫る響き。関東公演での演奏も良かったけれど、それ以上の熱量を感じた。
3年前、初めて先生のリサイタルに行き聴いたショパンに衝撃を受け、その日は一晩寝ることができなかった(# 10ご参照ください)。
第3楽章の後半に入った頃、その時の気持ちが蘇って目頭が熱くなった。
ふと目を横に向けると、階段通路を挟み斜め前の席に座っていた方がしきりにハンカチを目元に当てているのが見えた。
皆それぞれに何か感じるものがあるのだろう。
演奏が終わり、大きな拍手が起こった。
アンコールは
ショパンのワルツ7番
ベートーヴェン ピアノソナタ"月光" 第2楽章
これで全ての公演が終了した。
🔸🔸🔸
ピアノを再開する前はフィギュアスケートを観に行っていた。コアなファンは1つのアイスショーを複数回、違う座席から見たり会場を変えたりして楽しむ。
その気持ちを理解できた様な気がした。
人が演じる。環境も聴衆も違う。
その時の条件で少しずつ変化が起こるのだ。
音楽は生きている。
(毎回複数回行くのは流石に無理だけど😅)
たまにはこういうのも良いなと思った。
Epilogue
公演後はいつもホール出口前に先生が立ち、見送りをしてくださる。
地元はたくさんお客様がいて大変そうだ☺️
関東公演もこうなって欲しいところ。
私も列の後半に並び挨拶をしてきた。
良い演奏を前にすると頭が真っ白になる。やはり何を言ったかよく覚えていない😅
変なことを口走っていないことを祈っておく。
ご一緒していた門下の方とも別れ、ロビーは人がまばらになっていた。
会場を後にして1人駅に向かう。
駅は歩いて5分ほど。
迷わず着きホームへ向かった。
ところが‥
→ Back to #98 ‥🐤
おまけ:
演奏会を聴きにいくと2日間ほど耳の感度が上がります。
普段気にならない生活音がダイレクトに入ってくるし、英語のヒアリング力も上がります。
音楽CDをスピーカーで聴いた時はこの変化は起きません。
巨匠と言われる方を始め多くの演奏を聴いてきました。演奏によって感度変化に大小あります。
全く変化の起きない演奏もあります。
何故か先生の音色でこの効果が1番強く出るのです。これは初めて演奏を聴いた時から起きています。
レッスンで模範演奏をいただいた日も同様。
対面で習い始め、しばらくの間レッスン翌日はアコースティックの生音が大きく聴こえて大変。サイレントにしてボリュームを絞って練習していたこともありました。
そして今回同じ曲の公演を2回聴いた訳ですが、豊中公演の方が影響が強く出ており、帰宅時、翌日の仕事時は色々聴こえすぎるので耳栓をしてました。
本日投稿時点でもまだ完全に元に戻っていません。
倍音増し増しなのでしょうか。周波数の異なる音をたくさん耳に入れる事で聴覚に関わる神経細胞が活性化される‥とか🧐
色々な意味で「攻撃力の高い」演奏です。
同じ現象を経験されたことのある方いないかな💦
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