子どもの頃から漫画以外の活字が苦手だったのが、
トシをとったら、新聞や本を読んでる最中に
頭がセメントで固められたみたいなカンジがしたり、
ガーっと眠くなったりしてね。
それだけでもちょっと困っていたのに、
最近は読んでも頭に入らない上に
字を見ていられる時間も
今まで以上に短くなったりで…汗
そんな頭ですもん、
文章を組み立てて「書く」こともできなくて
ブログも開けたり開けなかったりで
ご無沙汰気味だったんだけど、
でも、映像なんかはOKだったので
こんな時はムリをせず…
ということで、録りだめていた映画や番組を
いろいろ観たりしてたんですよ。
その中の一本が、先日NHK・BSで放送された
マーティン・スコセッシ監督の映画
『沈黙─サイレンス─』
これは遠藤周作の小説が原作の2016年のアメリカ映画で、
キリシタン弾圧がすさまじかった江戸時代初期、
師の宣教師が「日本で棄教したらしい」と聞いた
二人の宣教師が、危険を冒して長崎に上陸。
その彼らをとりまく様々な立場の人々との交流ややり取り、
そして弾圧の様子も描いたヒューマンドラマなんだけど、
私がこの映画について知っていたことと言えば、
封切の頃聞いた、「遠藤周作の小説の映画化」で
『弾圧の嵐の日本に、師を探してやってきた宣教師のはなし』
くらいで…。
アメリカ版の予告だけど、日本語の字幕付きです~。
ウチは私も夫も実家は仏教だけど、
得度しているわけではないので
「宗教」を感じるのは法事の時くらいだし、
実際、私たちは二人がゆくゆく入るところは
もうすでに霊園に用意してるんだけど、
でもそれも、いわゆる「お寺にあるようなお墓」
ではないし…。
なので、信仰の持つ意味や重さだけでなく、
当時の弾圧の原因や背景といった
日本の歴史さえも分からないんけど、
でも、以前島原城でキリスト教関連の展示を見たり
「島原の乱」の舞台になった原城跡に行ったりもしてたから
映画も気にはなってたんです。
だからいい機会ではあったんだけど、
内容が内容だもん、
そりゃ、暗くて重いよね…
と、分かってはいたから覚悟はしてたけど、
やっぱり重かった…。
だって、これどうやって撮ったの⁉って思うくらいの
目を覆うような残酷な拷問や処刑のシーンはあるし、
それが島原や天草で見たキリシタン関係の場所とリンクして
当時の人たちのことを想像してしまったりで…
雲仙地獄★なんて、歩くだけで汗だくになるくらい熱いのよ~・汗汗汗
でもね、途中でやめようとは
思わなかったんですよ、不思議と。
主人公も含め、登場人物の「その後」が
どうなったのかが気になったのももちろんあるけど、
なんかね、観ているうちにそれぞれの立場の人たち
(幕府側の役人・信者・宣教師)の
だれが正しいのか分かんなくなっちゃって…。
弾圧という歴史があったことは知っていたけど、
ドラマとはいえ映像になった、
でも、実際にはもっと残酷だったかもしれない
拷問の数々を観たら、
やっぱり「う~ん…」と思いましたよ。
でも一方で、禁教にしたのも理由があったんだろうし、
きっと当時はそれぞれが「自分の為すべきこと」を
やってただけなのかも…とも思ったり。
難しいよね…。
もし私があそこにいたら、
あの中のだれに一番近いだろ。
きっとキチジローかも…。
ちなみに、この主人公たちには
モデルになった実在の人物がいたそうで
それもオドロキだったけど、
この映画が台湾で撮られたというのも
ビックリでしたよ。
だってあとでそれを読むまで
日本でのロケだと思ってたんですよ。
それくらい
ぜんっぜん違和感がないの!
それも監督のこだわりだったんでしょうね。
最後におまけ。
主人公と一緒に日本にやってきた宣教師、
なんと、アダム・ドライバーでしたわ!
彼、
カイロ・レンをやっていて、
※画像はネットからお借りしました
あれ観た時は「ヤなヤツ~!(ーー;)」と思ったし
ルックス的にもぜんっぜんタイプじゃなかったんだけど、
というより、むしろ苦手^^;
なぜかミョ~に気になっててね。
そしたら、この映画の前に、
これもおうちでそれと知らずに観た
スパイク・リー監督の『ブラック・クランズマン』に
めっちゃいい役で出てて…(・∀・;)あれっ?
(ちなみに、コレも実話に基づいたもので内容的にはシリアスなんだけど、
映画はハラハラドキドキでエンタメとして楽しめたので、おススメです)
※画像はネットからお借りしました
そして今回、またまた思いがけずお目にかかって、
なんかますます気になる俳優さんになりましたわ( ´艸`)
あと、 長崎奉行・井上筑後守を演じた
イッセー尾形!
善人か悪人かわからないような、つかみどころのないような、
なんというかぬめっとしたカンジがもう…!
あんな役やらせたら、この人ほんっと上手いね!
と、あらためて思ったのでした(`・ω・´)bグッ!