これまで私は「職場事件簿」と称して、ある同僚が職場でやらかした出来事を、笑いを交えながら書いてきました。
でも、振り返ってみると、あれは笑って済ませていい話ではありませんでした。
実は、とても深刻な問題だったのかもしれない。
ここ2年ほど、その同僚の仕事ぶりを見てきました。
私は専門家ではありません。
だから、その人に何か特定の理由があると決めつけるつもりはありません。
ただ、一つだけ、自分の見方が変わりました。
以前の私は、「努力していないんじゃないか」と思っていました。
でも、そうではなかったのかもしれない。
その人なりに努力はしていたのだと思います。
マニュアルを作ればできると思っていたし、周りも工夫を重ねていました。
それでも、同じことが何度も起きる。
担当している業務でトラブルが起きても、自分の担当だと結び付かないように見えたり、
優先順位がうまく整理できなかったり。
最初は「なんで?」と思っていました。
でも、見続けるうちに、努力の問題だけでは説明できないこともあるのかもしれない、と考えるようになりました。
そして、ふと思ったことがあります。
周りの人と同じようにできないことに、本人も悩んでいたのではないだろうか。
会社に来られない日が続いていたのも、「行きたくない」ではなく、
「できない自分」を抱えながら仕事に向かうことが、とても苦しかったのかもしれない。
もちろん、本当の気持ちは本人にしか分かりません。
でも、そう考えるようになってから、見え方が少し変わりました。
今の職場は、その人にとってつらいこともあるかもしれません。
でも、周りからサポートを受けられる環境でもあります。
困ったときに助けてくれる人がいる。
フォローしてくれる人がいる。
それは、とても恵まれたことだと思います。
ただ、その一方で思うことがあります。
支える側にも、仕事があり、責任があり、余裕があるわけではありません。
誰かをフォローすること自体は嫌じゃない。
でも、それが毎日続いて、同じことを何度も繰り返すようになると、少しずつ疲れてしまう人もいます。
「支えてもらうこと」と「支える人が支え続けられること」は、同じではない。
この2年間で私が一番感じたのは、そのバランスの難しさでした。
働く環境を整えるというのは、一人を守ることだけではなく、その人を支える周りの人まで含めて、
みんなが働き続けられる環境をつくること。
それが、本当の意味での「働きやすい職場」なのかもしれません。