加茂隆康弁護士の著書『自動車保険金は出ないのがフツー』
第四章 きちんと出させるには「出るとこへ出る」
力の差を知る/戦略の差/圧倒的な経済力の差/弁護士のみつけ方
専門外の弁護士/なぜ交通事故弁護士は少ないか/損保側弁護士と地方の問題
地方の被害者の疑心暗鬼/敵に塩を送る/内部規定で払わない弁護士費用
弁護士をつけると損保の態度が変わる/出るとこへ出る/交通事故紛争処理センター
日弁連交通事故相談センター/慰謝料を弁護士会基準より値引きしがちな日弁連の矛盾
紛セと日弁連とどっちが得か/民事調停はご近所のご隠居的
やみくもに調停に申し立てる損保側弁護士
『慰謝料を弁護士会基準より値引きしがちな日弁連の矛盾』
東京の日弁連交通事故相談センター東京支部では、同支部で編集・発行している『民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準』(通称「赤い本」)の考え方に準拠して、示談斡旋が行われます。
「赤い本」には、傷害慰謝料や後遺障害慰謝料の基準額が明示されています。
それにもかかわらず、同支部の示談斡旋担当弁護士の中には、その80%程度の金額を示談斡旋として
提示してくる人がいます。「赤い本」の基準額は訴訟になった場合の金額で、日弁連の同センターは訴訟前の簡便な手続きだから、多少値引きしてもいいではないかという考え方からです。
加茂隆康弁護士はこれには賛成していません。
同センター東京支部で編集・発行した本の中で基準額を明記しているのですから、そこにもち込まれた事案には、本の基準をそのまま適用するべきです。
被害者の多くは、迅速に合理的な賠償金をもらいたいとの思いから、同センターなどへ申立てをします。
訴訟よりは簡易な方法とはいっても、申立てにあたって資料(証拠)作りをするには、時間と労力がかかっています。
それなのに、ふたを開けてみたら、20%のディスカウントを迫られたというのでは、同センターは本に書いていることとやっていることがちがうじゃないか、と批判されても致し方ないでしょう。