こんにちは!


私は先日、『エディントンへようこそ』を観に劇場へ足を運びました。



アリ・アスター監督による"炎上スリラー"と銘打たれた最新作です。



前作『ボーはおそれている』に引き続き、ホアキン・フェニックスが主演を務め、エマ・ストーンやペドロ・パスカルといった名優たちが脇を固めます。




物語は、未曾有のパンデミックの真っ只中であった2020年の5月を舞台に幕を開けます。



ホアキン・フェニックス演じる保安官ジョーは、市民の安全と街の平和を守るために奮闘します。



マスク着用の義務化、不要不急の外出禁止、ソーシャルディスタンスを確保したコミュニケーションなど、感染を抑える行動が叫ばれる中、各々の心中に徐々に芽生え始める鬱憤や猜疑心。




世界に走る緊張感は、ついに一触即発というところまで高まります。




陰謀論や情報で溢れ返り混沌とした中、何を信じたらいいか分からなくなる感覚は、当時自分も抱いていた気持ちを強く思い出させました。




その人が信じたことが真実だし、それ以外はウソになる。嘘もバレなければ真実に等しい。




この世界に平和はない。




常にさまざま軋轢が生じていて、それぞれの正義を振り翳してぶつかり合う毎日なのだと、思い知らされた気がします。




冒頭のシーンで主人公のジョーが、ホームレスにかけた言葉がとても心に残りました。



「自分の言動によって相手の一日を台無しにもできるし、安らぎを与えることもできる。」



つい、自分の心情に伴って言葉遣いや態度を荒げてしまうことがあります。これは生きていたら仕方ないことだと思います。



しかし、それらは何も知らない他人にとっては敵意と捉えられかねないということ。



そんなふうに、知らず知らずのうちに捻じ曲がって伝わってしまうのが、人間の持つ感情の恐ろしいところだと思います。




"正義の反対は悪ではなく、別の正義"


"良い人間も、誰かの物語では悪役になる"




ウイルスが蔓延る前から、この星は一生付き合っていく病気にかかっていたことに気付かされました。


そして、自分自身も今後、普段の生活や振る舞いを見直そうと思える作品でした。