「夜への長い旅路」何の参考にもならないわたしの感想…のようなもの。 | さくらもっちーのアホな日常∞ ~SUPEREIGHT大倉忠義くんがちょっと好きすぎるおもちのぶろぐ~

さくらもっちーのアホな日常∞ ~SUPEREIGHT大倉忠義くんがちょっと好きすぎるおもちのぶろぐ~

大倉忠義くんのことを話しはじめると止まりませんꉂꉂ( ˆoˆ )気づけばアメブロ歴もだいぶと長くなりました。お久しぶりの方も初めましての方もお気軽にコメントくださいませʕ·ᴥ·ʔ ♡*:.✧



「夜への長い旅路」

初日の観劇前に更新して
ずっと更新できてなかったなぁ〜

先日2回目の観劇の機会をいただきまして
ようやくスマホを手にとりました。

(ここで筆をとったらかっこいいけど、
スマホを手に取ってもかっこがつかんw)




ここからは人によってはネタバレだ!と
感じる方もいらっしゃるかも知れないので
ここまで気をつけてきている方には
お戻りいただくことにしつつ…


わたしはこの作品に
ネタバレという
概念はないとも感じております。


なんせ家族の実話やからね…

どんでん返しがあるわけでもない。

展開以上に心情を感じとることに
重きをおいてみるべき作品というのかな。



難解なお話とおっしゃる方が多いけど、

事前情報として提示されていた
作品のあらすじを理解していれば、

途中で頭の中に「?」が浮かんで
ついていけなくなってしまうことは
ないんじゃないかなーと感じました。

宗教的な言葉があったり
シェイクスピア作品の台詞が
出てきて難しく感じたりもするけど、
初見でそれを深く理解することは
必ずしも求められていることではないと
思ったのでそこは大丈夫なのかなぁと。




とはいえあらすじを知っていくことや
既出の関連雑誌をチェックしていくことは
必須であるとは言われていないし、
皆さんに準備の時間があるとは限らない。

なのでそこまでの時間が取れなくて、
不安があるのであればプログラムを
読んでから観劇することをおすすめします。

特にそこに掲載されている作者である
ユージンオニールについての紹介ページ、
そして演出家フィリップさんのページを
一読してから観劇されるのがよいかと…



彼の生涯を知ることは、
この「夜への長い旅路」で
描かれている一日を知ることに繋がってます。


「家族」の存在は
彼を語る上で避けられない。

そして、

ただよしくんがレンジャーに
書いてくれていたこの家族の末路…

ジェイミーのその後についても
ここで知ることができます。

(※紹介ページの内容を読むにあたって…

母の名前がエラ→劇中ではメアリー。
オニール自身→劇中では次男エドマンド。

と、変更になっている点には
気をつけないとこんがらがっちゃうかな。

そして作者が自らを「エドマンド」として
戯曲にした背景にも胸が痛んでしまう…)







一見難解に思える戯曲作品…

だけど「家族」をもつ方であれば
理解できる感情がそこにはありました。

「愛」

愛しているからこその憎しみ。

愛憎劇とはよく言ったもので、
愛と憎しみは表裏一体のようなものでも
あるのかもしれないなと。

知られたくない家族の秘密、いざこざ、
現代にも数多ある愛と憎しみのかたち。

ここに描かれる家族ほどの苦しみを
感じている方は多くないだろうけど、
どこか自分にも覚えのある感情や葛藤が
そこにはあるのではないかと私は思いました。

普遍的であるからこそ
今も世界で上演が続く作品なのだなぁと。

家族それぞれの苦しみを知ったけれど、
わたしは今回ジェイミーを
想って観劇後も苦しい気持ちが続きました。

感情移入というと実在した彼に申し訳なく、
わたしの苦しみを理解できるものかと
おっしゃられるかも知れないけれど、

長男として、この家庭に生まれて…
描かれているこの日以前にも
辛く苦しい日々があったのだと思うと、
本当に耐えられない。

自分も長女という身であるからか、
自分自身こうあるべきだと思っていたかたちと
違った人生を歩んでいるからなのか…

ジェイミーをみているとすごく辛い。

ただよしくんが演じているからだとか
そういった理由だけではなく、
苦しみがダイレクトに響いてきました。

なので今回は思い切って
彼に偏った文章を書き進めようかと。

(まったく語彙力のないわたしによる
ぼんやりとした感想なので期待しないでね)







「酒と女に溺れる放蕩息子」

「アルコールに溺れ親の脛をかじって
放蕩を繰り返す長男ジェイミー」

はじめて舞台が決まったあの日…
夜への長い旅路についての前知識が
まったくのゼロだったわたしは
このように紹介されているのをみて、
なんてだらしのないひとなんだと思った。

(難しそうな作品やけどただよしくんに
ぴったりの酒浸りの役…とも思ったけれど 笑)



でもさ。

人ってひとことでは語れないよね。
そうなる理由まで考えあげなくちゃさ。



酔っ払って帰ってきてからのあのシーン…

それまでもただただジェイミーを
哀れむばかりでいたけれど、
あのシーンは辛くてたまらなかったな…

自分をもっと愛してあげてほしい。
愛を感じられる場所はなかったのだろうか。

ヴァイオレットに自らを重ね…慰めあい…
きっとそこに母性も求めていたんやろうな…

(そしてわたしはヴァイオレットにも
しあわせになっていてほしいと思った…)





他人様の人生を可哀想という言葉で
まとめることにも申し訳なさを感じるけれど、
彼はあまりにも「可哀想な人生」だった。




この戯曲に触れて、

彼は本当にだらしのないどうしようも
ないやつ…なんかではないと感じた。

放蕩息子だと言われたら
返す言葉はないのかもしれないけれど、
彼には優しさも愛もあって
だからこそ苦しみに潰される運命と
なってしまった可哀想な人だと。

ママのことをどれだけ愛していたか…
弟であるエドマンドのことを
どれだけ心配していたか…

そしてエドマンドも兄さんのことが
大好きやったよね。それが伝わってくる。

エドマンドからジェイミーへの憎しみは
この作品には描かれていなかった。
少なくとも自分はそう感じながら観ていた。




すべてわたしの感じ方を
感想にしたものでしかないから、

もしかしたら本当のジェイミーは
わたしがここで感じたような人では
なかったのかもしれないけれど。

エドマンドの目線(著者の目線)からみた
ジェイミーは根っからの
ひどい人間ではなかったと思う。









この家族はある意味では
お互いへの向き合い方が
正直すぎていたのかもしれない…

というかお酒ってこわいよね。
言うまでもなく薬は恐ろしいけれど、
お酒も恐ろしいとわたしはおもう。


逃げるようにお酒を飲んでは
感情をぶつけすぎてしまっていた…

ぶつけては、後悔する。

言わなくていいであろうことまで…


特にジェイミーはそうなのかな。
(そうしないと保てないほど
辛かったということでもあるか…)

男性陣は皆少なくとも
お酒の力が作用した上で
言わなくてよいことまで
言葉にしてしまう場面があったな。

お酒ってこわいな…

結果的にはジェイミーの身体も蝕んで…




あれやこれやと相手を
憎しみ傷つける言葉を投げてはさ?
そのすぐあとには後悔し、
そうじゃないんだと頭を抱えて…

どちらが本音?と考えてしまうかもしれない。
でもきっとどちらも嘘じゃないんやろうな…

これこそ愛と憎しみが
表裏一体だと感じる部分でもある。

愛しているのも真実。
その中に憎しみを抱えてしまったことも真実。





愛に憎しみが加わって…
それでもお互いを突き放しきれない…

これは家族ゆえのことよね。

突き放した「ような」言葉はあった。
これが家族でないのなら、
このまま見捨てて去ってしまえばいいのに。

家族という関係の不思議がここにあって
互いが互いを苦しめあってしまう。


辛いな…だからこそ辛いな…

これが自分の家族の話なら…
自分が彼らと同じ立場なら…

まともな精神状態でいられるはずがない。


何かに頼らなければ、
この憎しみからは逃がれることができない…

それは自分に負けたことになってしまうのか…






これがフィクションだったなら、
このあとこの家族が
幸せを取り戻せるようにと願うのに。

だけど、それができない苦しさ…



依存なきまま、何にも蝕まれず、

家族で話し合うことができたなら
このようなかたちには
ならなかったのだろうか…


わからない。

考えても考えてもわからない。


すでにひとつの結末を
迎えてしまっているのだから。

もはやどうにもできない歪な関係…か








ただよしくんが
この舞台で拍手をいただいたときに
ご家族にも届くようにと
思っていると書いてくれていたけれど、

わたしもご家族を想いながら
拍手を送りたいと思いました。










わたしたちにはそれしかできないから。









 




そして、これについてもひとつ。

観劇後に調べると、

ユージンオニール(劇中のエドマンド)は
この後「日陰者に照る月」という作品を
書いているらしく。

わたしはそれを購入し、読み進めました。


舞台観劇後、読みあさった考察論文…

『夜への長い旅路では語り尽くせなかった
兄への想いが書かれた作品であり、
彼から兄への「鎮魂歌」と言われる
作品である』との一文をそこに見つけ、
わたしはこれを読まずにはいられなくて。

多くは語らずにおきますが、
気になった方には
この作品も読んでみてほしいと思います。

(しかし古書にあたるので
絶版扱いで新刊での購入は不可能という…
本を購入するにあたっての
質問はこちらで受け付けますので是非)














「夜への長い旅路」


ありがたいことにこのあとも
何度か観劇させていただける機会があります。

そこでまた別の発見があったり…
違った感じ方があったり…

ジェイミーを演じる
ただよしくんの変化や成長を
感じさせていただけるであろうことにも
心から感謝致します。











ただよしくんを好きになって
出会った「人」「作品」「感情」

その全てを大切にしながら
多くの学びを得ることもできれば。










あなたの存在でわたしは頑張れる。










あぁ。これもまた「依存」…かな。










(最後の最後で仕上がりが重いのよ 笑)