　みなさん、クリスマスおめでとうございます。ホワイトクリスマスと言えば聞こえはいいが、日本の各地で例年にない大雪に見舞われている。どうぞ皆さまお気をつけてお過ごしください。

　関東の私の住む地方は、今日は穏やかな晴天に恵まれた。このところ何となく体調が今ひとつな休日が多かったのだが、今日は久しぶりに外出してたくさん歩いて来た。良い気分でクリスマス・イヴを迎えられそうである。

　先日、私がフォローしているブログ（ミュージックロボットAOIの原色★歌謡曲図鑑）に、日本のクリスマスについて目からウロコのご指摘が載っていたので引用させていただこう。

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日本でクリスマスが「カップルのための特別なデートの日」となり始めたのは、80年代半ば。

それまで「パパとママが子供にプレゼントする日」だったクリスマスのイメージを変えたのは、映画やドラマの力も大きかったが、当時のポップスの名曲の影響も大きい。

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　なるほどなるほど。ついでに言うと、何年か前に「クリぼっち」なる言葉が流行ったことがあったが、そもそも若い人（に限らない）がクリスマスをどう過ごそうが、人それぞれの勝手である。それをオジサンが「オレの若い頃は…」とか「クリスマスイブにいい若いモンが予定もないのか？」などと言うのが最も嫌われるのだそうだ。そりゃそうだわな。人のフリ見てわがフリ直そう！

　それはそれとして、今日がおめでたい日であるのは間違いない。宏美さんが歌うクリスマス・ソングを聴いて素敵な気分になっていただきたい。本日取り上げるのは「聖夜（きよしこの夜、独:Stille Nacht）」である。原詞はヨゼフ・モール神父、作曲は19世紀のオーストリアの教師・オルガン奏者のフランツ・グルーバーである。Wikipediaからグルーバーの自筆譜、そしてその譜面通りのウィーン少年合唱団の演奏をご紹介しておこう。

　この歌が日本で広まったのは、由木康（よしきこう）による日本語詞が『讃美歌第二編』(1909)に収められてからである。教科書に採用された時期もあると言う。一番の歌詞を引用しておこう。

きよしこの夜　

星は光り 救いの御子(みこ)は

 馬槽(まぶね)の中に（み母の胸に）

 眠り給う　

いと安く（夢やすく）

　カッコ内赤字は、版による差異であるとのこと（※ worldfolksong.com による）。

　さて、その「聖夜」をわれらが宏美さんがテレビで歌唱した貴重な映像が残っている。1982年12月（曜日配列からして20日ではないかと推測される）の『夜のヒットスタジオ』のオープニングで出演者たちによって歌われたクリスマス・メドレーの中の1曲である。それにしてもこのメドレー、当時リアルタイムで録画しながら見ていたが、今にして思えば本当に豪華なメンバーである。私が歌謡番組にかじりつくようにして見ていた頃の、まさにオールスターといった感じだ。参考までに出演歌手と歌われたクリスマス・ソングを記しておこう。

森進一（ホワイト・クリスマス）

八神純子（もろびとこぞりて）

近藤真彦（赤鼻のトナカイ）

中森明菜（サンタが町にやってくる）

アルフィー（ウインター・ワンダーランド）

シブがき隊（ママがサンタにキッスした）

岩崎宏美（聖夜）

海援隊（ジングル・ベル）

　宏美さんが歌われた歌詞は、先に引用したものの赤字の方。メロディーラインは『讃美歌第二編』に収録され、わが国で多くの方に馴染んでいるもの。グルーバーのオリジナルのものとは若干違うことがわかる。宏美さんはA♭メジャーで歌唱しており、上のD♭まで無理のない地声で伸びやかに歌い切っておられる。どうぞごゆっくりゴージャスなメドレーをご堪能あれ。

　宏美さんは、ずーっと昔から「クリスマスアルバムを作りたい」と言っておられるのに、いまだ実現しない。一昨年のクリスマスに、私が妄想したバーチャル・クリスマス・アルバムがあるので、そちらをご紹介して今日は終わりたい。みなさま、是非お読みいただき、宏美さんのクリスマス・アルバムをご一緒に夢想していただきたい。🥰

　それでは皆さま、改めてメリー・クリスマス！🎄

（1982年　『夜のヒットスタジオ』歌唱曲）