私擬憲法研究会

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日本を末永く繋いでいくために、日本人による日本のための憲法を起草する試みです。 国史と日本文明を学び、やまとごころを以て日本の未来を創造する。日本弥栄。

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 先日、憲法起草について数人で話をしていたのですが、その中で、天皇は元首なのか?という話がありました。そこで、今回はそのことについて私見を書いてみます。

 

日本国憲法に、天皇が元首であるという記載はありません。それが原因かどうかは分かりませんが、自民党の平成二十四年度案では、天皇を元首としています。
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 第一章天皇
(天皇)
第一条天皇は、日本国の元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴であって、その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく

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https://storage2.jimin.jp/pdf/news/policy/130250_1.pdfより


 憲法の改正を求める中にも、天皇が元首であることを明記するという意見は多いようですが、天皇を元首とすることは、日本という国家の國體を鑑みた時、適切であるのか疑問であるとともに、天皇に対し元首ということばは馴染まないと思えます。


 元首の語源をたどってみると、元首とは、英語なら「head of the state」ドイツ語なら「Staatsoberhaupt」にあたる語として、支那で造られたものです。元首の意味するところについて、『 衆憲資第 13 号象徴 天皇制に関する基礎的資料  最高法規としての憲法のあり方に関する調査小委員会(平成15 年2 月6 日及び3 月6 日の参考資料)』に下記の記載があります。

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○政府委員(大出峻郎・内閣法制局第一部長)
 元首とは内治、外交のすべてを通じて国を代表し行政権を掌握をしている、そういう存在であるという定義によりますならば、現行憲法のもとにおきましては天皇は元首ではないということになろうと思います。
 しかし、今日では、実質的な国家統治の大権を持たれなくても国家におけるいわゆるヘッドの地位にある者を元首と見るなどのそういう見解もあるわけでありまして、このような定義によりますならば、天皇は国の象徴であり、さらにごく一部ではございますが外交関係において国を代表する面を持っておられるわけでありますから、現行憲法のもとにおきましてもそういうような考え方をもとにして元首であるというふうに言っても差し支えないというふうに考えておるわけであります。

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 元首=head of the state は、その国を代表する者であることは間違いないかと思いますが、必ずしも行政権を持っている必要があるのかということは議論の余地がありそうです。


 もっとも、諸外国で天皇は元首として認識されています。それは、天皇陛下のイギリスご訪問や、トランプ大統領との晩餐会の様子からも察せられます。外国の方々が言われなくても分かることを、自国民が理解できないはずは無いのですが・・・。


 そして思うことは、日本の國體と欧米の國體は同じなのか?ということです。共和国であれば、大統領は元首だと思います。立憲君主国に於いての国王も元首かもしれません。


 では、日本の天皇というご存在は、大統領や西欧の国王と同じなのでしょうか。日本は神武天皇が詔で示されたように、国家すなわち、国をひとつの家族とするという国柄であり、わが国の正史である日本書紀によれば、天皇のご存在は神勅により建国以前から定められています。この神勅と建国の詔が示す、わが国の國體、言い換えると国柄は、万世一系の天皇を頂く君民共治ということであり、これは他の国に類を見ない唯一無二のモノです。


 また、このことは、元首ということばの概念が、天皇というモノの概念とも馴染まないことを意味します。天皇は天皇であり、皇帝でもなければ、王でもありませんし、大統領などとも異なります。統治体制自体が異なりますので、その存在意義自体も異なります。要するに、天皇は天皇であるので、その他のことばでは表現できませんし、置き換えられるものでもないのです。


 ですから、もし憲法に記すのであれば、「天皇」としか書きようが無いと同時に、元首ということばも使うべきではないと言えます。そうしなければ、天皇が天皇であることを示すことはできません。


 明治時代、大日本国憲法起草にあたり、井上毅はその第一条に「日本帝国ハ万世一系ノ天皇ノ治(しらす)ス所ナリ」と記しますが、「治(しらす)」ということばが外国語に翻訳できないということで、「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」となりました。


 「しらす」という概念は日本固有のモノであるので、外国語には翻訳できないのは当然なのですが、当時の国際情勢を鑑みれば、日本固有の概念を記すよりも、翻訳することを優先させてしまったことは、致し方なかったかもしれません。


 しかし、今の日本の立ち位置、国際情勢を鑑みれば、今回こそは日本固有の概念を示す時だと思いますし、いつまでも外国に忖度していてはダメだと思います。だから、天皇は天皇と記せば良いし、そうしなければならないと考えます。


 では、どうやってわが国の憲法を海外に示すのか。というところでは、単純に、「天皇」の翻訳を英語なら「head of the state」ドイツ語なら「Staatsoberhaupt」とすれば良い。彼らの概念では元首という意味なのですから。そして、ここが重要なのですが、翻訳には但し書きが絶対に必要ということです。これは、お互いに異なる歴史を持ち、異なる文明、文化、伝統を持っているのですから、ことばの概念というものも異なります。概念として持っていることばも異なるので、持っていないことばは、それに対する説明が必ず必要ですし、それを怠ることは非常に危険だと思います。それは、反対に外国語が日本語に翻訳されるときは更に重要となります。なぜなら日本語は言霊ですから。


 結論
 わが国の憲法に於いては、日本固有の概念でしっかりと國體を示すことが良いと考えます。そして、余計なことは記さない。これは、天皇に限らず一貫して求めることです。現代だからこそ、一切の忖度なしに、日本は日本であることを記すことが肝要と考えます。