SEVENとは

オーストラリア西部、NANNUPで行われるグラベルレースイベント。

シクロクロス車を使って日本でちょこちょこグラベル遊びをしていたもののなかなか楽しいフィールドが無く、海外のグラベルを走ってみたいと思っていたところに↓この記事を見つけて興味を持ったのだった。

広大で良質そうなグラベルのコース写真に心が動いた。

最長のコースで距離は125km。カテゴリ山岳が7つあるということでSEVENの名がついている。

ツアーで行こうとして問い合わせたら"Our VIP packages are no longer available"だと返信があったので、結局妻の力を借りつつ自分で手配して行った。

 

  ビハインドからのスタート

当日の朝は宿泊していたバッセルトンからタクシーで会場へ(高いのでオススメしない)。

予約した時間におじいちゃんドライバーが15分も遅れて来たのでスタート前ブリーフィングには間に合わず、スタートには間に合ったものの列の後方に並ぶ羽目になった。つらい。

エリートカテゴリがスタートした後、僕ら一般枠は前列から順にぞろぞろとスタートしていく。

荷物預けサービスはないので帰り自走のための前後ライトは付けたまま走るしかない。

 

最初の5kmくらいは舗装路で、脚を使ってポジションを上げていく。

未舗装路区間の多くは固く締まった土の上に砂利が乗った路面。

砂利が飛んで轍状に土の面が露出しているところも多く、そこは特によくグリップする。

長期間雨が無く乾燥すると滑りやすい路面だという前情報があったが、前日に雨が降って程良い湿り具合だったように思う。

 

スタート前。はるか前にスタートゲートが見える。

 
オフィシャルのコースプロフィールステッカー。0km地点が下側なのでちょっと混乱する。

 
コース上の典型的な路面。良質なグラベルがひたすら続く夢のようなフィールド。

 

  カテゴリ山岳区間へ

緩やかなアップダウンを繰り返していると、やがて1つ目のカテゴリ山岳を表す看板が現れた。

見晴らしの良い丘陵を登っていく道で、斜度はきついがテンションも上がる。

要注意箇所には注意を促す看板もあった。

要注意ポイントで窪みの衝撃をいなせたは良かったもののステムバッグから補給食入れが飛んでいったので一旦降りて回収。後続のライダーに怒られた。

コース上様々なところでボトルが落ちているのもよく見たので、ボトル&ケージの保持力は事前に確認しておいたほうが良い。

 

コースは日本では見たことのないような良質なグラベルが延々と続いている。

白線と矢印看板でコースが示されているので時々現れる分岐でも迷うことは無い。

前日に結構走ってしまったためにカーボローディングが足りておらず、補給不足で失速してきた。

走りながら食べられるアミノバイタルゼリー、スポーツようかんプラスを用意してきていたが、後から確認すると絞り出しきれていなくて残っていたりしたのでその分のカロリー減もある。

 

coles(スーパー)の量り売りコーナーで買ったナッツ

 
200mlペットボトルにダイソーのワンタッチオープンキャップの穴を拡張してナッツ入れに。甘い補給食オンリーで胃がやられるのは防げたが、即効性がなくレース中の補給としては微妙だった。

 

  中盤に落車

74km地点に補給ポイントがあるのでそこを目指して頑張っていた中盤、サイコンの距離がなかなか進まずメンタル的につらい。

実はストップボタンに当たっていたようで20km分ほど計測停止になっていただけだった。

補給ポイントでバナナ3本とクッキーを10枚くらい(!)食べてなんとか元気を取り戻し、水の補給とトイレを済ませてリスタート。

 

補給前後で2回も落車してしまった。下りコーナーはRが緩かったり轍をトレースしていればグリップしてくれるところが大部分だったが、唐突に砂利が深くて斜度もRもきついコーナーが現れて曲がれず。

1度目はうまく外側の草地に受け身で着地。

2度目はコーナー外側の凹みにハンドルを取られて左半身を打ち付ける形。

ヘルメットのおかげで頭は無事。

身体も大事無く、右のSTIが曲がった以外はメカトラもなさそうなので力で戻して復帰。

リム打ちしそうな場面は無かったのでグリップを稼ぐためにタイヤの空気圧はもっと低くても良かったかもしれない。

 

補給ポイントのラック

 
エネルギー切れでタイムも見込めないのでトイレに並ぶタイムロスももはや気にしない

 
右が主催者提供の補給テーブル。力が入らなくなっていたのでバナナとクッキーをガッツリ食べた。

 

  そしてフィニッシュへ

補給ポイント後の後半は徐々に持ち直して着実に登りをこなしていく。

最後はMTBのトレイルとして整備されているイージーなシングルトラック区間を抜けて3人パックとなり、1人は千切れて2人で重い芝上のスプリント。

ぎりぎり差し込めたような差し込めなかったような。

"Well done"と拳を突き出されたので"Well done"と返してグータッチ。6時間14分で無事(?)完走できた。

 

フィニッシュゲート

 
ゲート前にて

 
完走記念品のバックルと交換または物販・飲食ブースで$20として使用できるコイン

 
リザルトはその場でレシートに印刷してもらえる。右下のバックルは完走回数に応じて色が変わる。

 

  感想

レースという意味ではパッとしない結果だったが、とにかくコースが素晴らしくて感動した。

美しい景色、比較的きれいな路面、驚きの未舗装率。雲海も見られた。

一応レースなので止まって写真を撮るのは1枚だけにしておいたが、公式ホームページを見るとコースの雰囲気がよくわかると思う。

参加者はSEVENカテゴリで700人以上、距離の短いカテゴリを含めると約1200人もいた。

人気の理由がよくわかる。

興味を持った方は挑戦してみてはどうだろうか。