✔️上小脳動脈は脳底動脈から分枝して、小脳に血液を送っている。小脳出血はこの上小脳動脈の分枝が歯状核近傍で破綻して起こることが多い。

脳内出血の中では四肢の麻痺や大脳由来の局所神経症状に乏しい.

✔️小脳出血では突然の激しい後頭部痛、嘔吐、めまい,起立・歩行困難がみられる。

✔️時間が経つと水頭症や脳ヘルニアによる意識障害をきたすこともある.




✔️突然生じた小脳症状に加えて
✔️後頭部痛がある→小脳出血
       ない→小脳梗塞
を第一に考える(ただし,椎骨動脈解離による小脳梗塞では後頭部の解離痛を伴う)。

単純CT
✔️血腫が高吸収域
✔️血腫周囲の浮腫が低吸収域

✔️急性水頭症
第四脳室・中脳水道の圧迫や第四脳室への穿破により髄液循環に障害をきたし急性水頭症をきたすことがある.急性水頭症をきたすと,血腫自体は小さくても,頭蓋内圧亢進が起こり,意識障害を起こす.小脳出血で意識障害をきたす機序として,急性水頭症の他,脳ヘルニア(上行性ヘルニアや大後頭孔ヘルニア)も重要である。