硬膜下血腫の CTスキャン

硬膜下血腫の CT スキャンは多彩である。受傷直後に搬送される急性硬膜下血腫は三日月型の高吸収域で,意識障害が進行する場合は緊急手術が必要となる。血腫が低吸収域となる典型的な慢性硬膜下血腫になるのは受傷後数週間以上経過しててからである。約 10%が両側の慢性硬膜下血腫で受診してくる。これらの慢性硬膜下血腫は症状にもよるが,大抵は緊急手術とはならず,数日以内の手術となることが多い。

 

読影が難しく要注意なのは,受傷から2週間ぐらいの時期で,血腫が脳と同じ densityになる亜急性硬膜下血腫であり,脳梗塞と誤認されることがある。さらに難しいのは脳室の偏位をきたさない両側の亜急性硬膜下血腫である。脳室が両側から圧迫され,ウサギの耳のようになることが特徴とされている。疑ったら,頭部 CT スキャンの読影に慣れた医師に診てもらうか,造影 CT スキャンや MRI で確かめることを勧めたい。