21年前の今日、


横浜文化体育館。







金網デスマッチ

時間無制限一本勝負
エスケープルール




アジャコング

VS

ブル中野









あれから21年、



21年も前の事なのに

皆が今でも覚えてくれている試合が出来たこと。






レスラーとして最高に嬉しい。







15才でデビューして、

15年間、






何千何百試合して来たんだろう、、、






でも、その中で

一試合でも、お客様の記憶に残る試合が出来た事、







何十年たっても、

錆びない試合が出来た事を誇りに思う。










この試合の事は今でもしっかり覚えている。








あの時の感覚は何だったんだろう、




















会場は声援の渦、

金網の中のアジャと両者のセコンドと会場の皆が一体になった、






身体の痛みは何も感じなく息は上がっているが疲れていなかった、





トランス状態なのか、、、






試合をしてる自分と、

それを冷静に少し離れた所で試合を見ている自分がいた。







アジャとの息はぴったり合っている、







あんなに憎み合い負かそうと思っている相手の事が全て解り合っていなが戦っている、







アジャの身体を通してお客さんと戦っている、






私は何度も、

「もう、勝ってもいいかっ」


「もうそろそろ、勝ってもいいだろっ」



っと、アジャの体を通してお客さんの反応を見ていた。






金網のてっぺんに登って、




立ってみたら結構目線が高かった、







グラッと金網の外に落ちるふりをして、






お客さんの視線を全て私に向けて。







ここまでは、

頭の中で何百回もイメージトレーニングしてきた事。







「さぁ、飛ぶぞっ、」


っと、思ったら、、、






結構、高くて、、、





















一度目の金網デスマッチ、大宮スケートセンターでは、



勝者はアジャ。







アジャは金網を一度超えて外に出ている、






でも、私は一度も金網を乗り越えた事がなかった。






勿論、金網の上に立ったことも、







実際立ってみたら、結構高かった、、、







下にいるアジャが少し遠くに見える。







もう、飛ばなきゃヤバイぞ、






っと思った時、

無意識に手と手を合わせあの拝むポーズになった。






この手と手を離したら、

飛ぼう。

っと。








飛んだ後の事はよくわからない、






ただ、





「死ななかった」っとだけ。







金網のてっぺんからギロチンをしようと前々から思っていたけど、







もしかしたら、

背骨が首から突き出て死ぬかもしれないと、

思っていたから、、、








金網をどうやって出たのかは後からビデオで見てわかった。





反省点はいっぱいあったけど、、、




とにかく、降りる時、裸足で金網の枠の中に足が入らず痛かったのは覚えている。






外に出て、

セコンドの京子、バット、智子と抱き合い、、、








お客さんの顔を見たら、




「もう、いいよ」


「もう、充分だよ」





っと言ってくれてるような気がした。




















一度目の金網デスマッチのリベンジマッチが決まった日から、





生きた心地がしない日々が続いていた。






お客さんに、

認めてもらいたい。

認めてもう事だけを考えて。






眠れない日々が続いた。




アジャの写真をトイレの中にまではって。







24時間全部、

プロレスの事しか、

金網の事しか、




アジャの事しか考えていなかった。





こんな事をしていたら、
いつかアジャの事を好きになっちゃうんじゃないかと思うくらい、






頭の中全部プロレスだった。







こんな状況の中での、

試合が出来た事も、又、感謝している。






生死を意識しての試合だから少し休みたい気はしたが、、、






さすが、

全日本女子プロレス









次の日も試合は入っていた。






とにかく、毎日、試合だった。






私はレスラーとして本当に幸せな人生を歩ませてもらった。






いい時代を長く歩ませてもらった。







時代のせいにはしないけど、


ただ、だた感謝している。







21年前の今日、




緊張と不安で潰れそうになっていたけど、





その中でベストを尽くせるだけの実力があった者同士、闘えた事を、






嬉しく思う。













今週の土曜日は、


金網パーティーで、

アジャと共に、21年前を振り返ってみたい。








三日月三日月三日月