2018年3月。

 

花々も芽吹き始め

心踊る春先の出来事です。

 

 

 

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【 バキッ! 】

 

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鈍い音と共に

息子の拳が私の顔面を捉えました。

 

 

 

 

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「お前らのせいで!!

 おれはこうなったんじゃろうが!!」

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息子は

そう叫びながら、

 

 

いままで見せたことのない

憤怒の表情で

私を殴りつけたのです。

 

 

 

 

離婚した前妻方にすむ

中学3年の息子。

 

 

前年9月から不登校になり、

 

家から一歩も出られない状態が

半年ほど続いていました。

 

 

 

 

私の知る彼は

 

いつも人のことを気にかけている

穏やかでやさしい性格。

 

 

 

 

そんな息子がその日、

 

 

血走った目を

ぐわっ!と大きく見開き

 

 

いきなり私に

襲いかかって来たのです。

 

 

 

 

 

殴られた瞬間、

目の前に火花が散り

 

 

鼻の奥から

生温かいものが

流れて来るのを感じました。

 

 

 

 

私は暴れる息子に馬乗りになり

両手を掴み、床に押さえつけました。

 

 

息子の顔に

わたしの鼻血がボタボタと

垂れ落ち、

 

みるみる

真っ赤になっていきました。

 

 

するとそのうち、

160センチ程の

小柄な息子が

 

その姿からは

想像もできないような

とんでもなく強い力で

 

 

体重90キロ以上、

柔道経験のある私を

 

今にも

押し返そうとするのです。

 

 

 

久しぶりに

頬を摺り寄せられるくらい

至近距離でみる、愛しい我が子。

 

 

 

 

しかし私は

鼻から血を流し、

 

 

息子は

まるで猛獣の様に

息を荒げ、

 

 

「ウーー!!ウーー!!」

 

 

と言葉にならない

「何か」を

私に向かって叫んでいます。

 

 

なぜ?

どうしてこんなことに。。

 

しかし

今は感傷にひたってる

場合ではない!

 

 

とにかく

息子を落ち着かせようと

必死でした。

 

 

 

それから

2、3分たったころでしょうか。

 

 

それまで

怒りにまみれてた息子が

 

今度は

急にしくしくと

泣き始めたのです。

 

 

 

その瞬間、

私を押し返す力も

ふっと失われ

 

 

事態は収束に向かうかと

思われました。

 

 

 

 

 

しかし次の瞬間、

信じがたい現象が起こったのです!

 

 

 

ヒックヒックと

泣いてる息子がいきなり

 

 

 

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「ハハハハ!」 と

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声を上げて笑い出しました。

 

 

 

 

「えっ???」

 

 

 

と驚いたのも束の間、

 

 

 

 

今度は

いつもの穏やかな表情に変化し、

 

 

 

「あれ?何が起きとん?

 父ちゃんなんで鼻血でとん?」

 

 

 

と我に帰った顔になり、

キョトンとしているのです。

 

 

 

その様子を見て、

私は混乱しました。

 

 

 

そして次は

なにを話しかけても

反応のない、

 

 

いわゆる放心状態で

ボーッと天井を

見つめだしました。

 

 

 

 

それからほどなくして

再び怒りの表情が復活し

 

 

またしても、

先程のものすごい力で

わたしを押し返そうとするのです。

 

 

 

そのあまりの変わり様に

わたしは戸惑いました。

 

 

 

 

それからもまた

30〜40分に渡り

 

 

 

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怒り、泣き、笑い、穏やか、放心

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この様な

喜怒哀楽のサイクルが

3、4周繰り返された後、

 

 

 

新たな変化が現れました。

 

 

 

 

今度はなんと

 

体は『暴れてる』のに

顔は『穏やかな表情』のままという

 

 

まぜこぜの状態に

なったのです。

 

 

 

 

 

あばれるからだで

やさしい顔のままの息子が

 

 

 

訴えかける様に

私にこう叫びました。

 

 

 

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「父ちゃん!これ、おれじゃないんじゃ!

 

 信じてくれ!勝手に体が動いとんよ!

 

 ほんとなんじゃ!

 

 お、おれな、狂っとんよ!

 

 前から病気なんじゃ!

 

 頼む信じて!信じてくれーー!!」

 

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しかし。。。。。

 

 

 

豹変した息子の姿に

とまどいを隠せない私は

 

 

その時、

そんな彼を押さえつけ

 

ただ見つめることしか

出来ませんでした。。。

 

 

 

 

 

 

そしてその後、

調べて判明した息子の症状。

 

それはおそらく

 

 

 

・『統合失調症』

・『境界性パーソナリティ障害』

 

 

のどちらか、

と言うことが分かりました。

 

 

 

自己から感情を切り離し

意識、記憶などが分離することで

逃避に至ってしまう

※乖離(かいり)というそうです。

 

 

過酷な体験を経験することが

原因とされる

精神障害のひとつです。

 

 

 

放っておくと高い確率で

自殺にまでいたってしまう

重い心の病。

 

 

 

私たち両親は

これほどまでに息子を追い詰め、

苦しめてしまっていたのです。

 

 

 

しかし、

それほどまで

大変な状態だった息子は

 

 

その後も一切

薬や病院に頼らず

 

わずか3年という期間で

劇的に回復し、

 

 

 

今では電車に乗って

5時間かかる遠い街にも、

 

たった1人で

行けるようになりました。

 

 

 

そして高校卒業後には

某有名企業への

就職まで決まったのです!

 

 

 

しつこい様ですが、

病院にも行ってませんし

薬も飲んでいません。

 

 

 

 

このお話は

そんな息子が

 

どうやって

その状態から抜け出し、

 

どのような経緯で

回復していったのか?

 

 

そして

 

 

わたしたち家族が

どのように息子と関わり、

向き合っていったのかを


 


父親の視点から、

当時残していた手記をもとに

できるだけ具体的に

綴っていきたいと思います。

 

 

 

しかし、

私はこういった分野の

専門家ではなく、

 

ただのしがない

洋食屋のオヤジです。

 

 

 

時には

私の独断的な見解が

含まれていたり

 

ところどころ

お見苦しい点が

でてくる事もあると思います。

 

 

そんな時は、

温かく見守ってくださると

幸いです。

 

 

 

また、あくまで

私個人の意見ですので

 

医療的なエビデンスは

一切ありませんし、

 

特定の団体や

個人を攻撃したりする

意図のものではございません。

 

 

 

しかしながら

ここに書かれていることは

全て実際に起こったことです。

 

 

それらをご理解頂いた上で

読み進めていってくださいますよう、

お願い申し上げます。

 

 

 

この連載の更新は

不定期とさせて頂きます。

 

 


いままでに何度も

これまでの事を書き綴り、

 

こうやって

文章に残しておこうと

試みました。

 

 

しかし、思いのほか

私自身のダメージも

大きかったようで

 

書こうとしても

いろんな記憶と感情が

フラッシュバックされ、

 

筆が途中でとまってしまう。

 

 

ここ数年、

この繰り返しだったのです。

 

 


当時、

病と向き合っている最中

 

私は息子に対する

不安と罪悪感で

毎日眠ることができませんでした。

 

 

なので、ネットや本で

不登校やこれらの症状についての

情報を検索しては読み漁り、

 

毎晩それらの勉強に

明け暮れていました。

 

 

その中に

実際に克服された方の

体験談などを見つけるたび、

 

 

「よし!明日も頑張ろう!」

 

 

と、勇気づけられ

 

自分の無力さに

何度打ちのめされても

 

一歩踏み出す勇気をもらって

いたものでした。

 

 

 

今、同じような環境で

がんばられている方が

 

日本のどこかに

いらっしゃることと思います。

 

 

 

私達がそうであったように

 

今まさに愛するご家族が

苦しみの最中にある

どなたかの元へ

このブログが届き、

 

 

少しでも心の希望と

なることができれば

とてもうれしく思います。

 

 

 

なるべく更新できるよう

がんばって投稿いたしますので、

 

これからも応援のほど、

何卒よろしくお願いいたします。

 

 

 

それでは次回から

息子の奮闘記を

綴らせて頂きますね。

 


続きはこちらから。



 

最後までお読みいただき

ありがとうございました。

 

 

 

ばいなら!