会社に行くと見た事ある車が停まっていた。
そして、その中から郷子と署長が出てきた。
『二人してどうしたのですか?』
『どうしたのじゃ無いわよ。でも、良かった・・・。騒ぎになっていないから、
 まだ来ていないとは分かっていたけど、間に合って本当良かった・・・。』
『何がですか?』
『真一くんが、私の部屋の前で盗み聞きをしていた事は分かっているのですよ』
『そうなんですか。でも盗み聞きと言うか郷子を追いかけて言ったら署長さんの部屋に入って
 動い剣幕で怒っていたから入るのを躊躇って居ると聞こえて来ただけですよ。』
『それは良いとして、真一くんここに何しに来たのですか?』
『それを分かっていて聞くとは署長さんも意地悪ですね』
 と笑うと郷子が
『真一くん笑い事では無いのですよ』
『じゃあ俺がこのまま引くと思っていますか? 
 確かに今日は引くかも知れませんが、明日か明後日か分からないけど、
 ずっとここで見張りをしているのですか?』
『確かにずっと言うのは無理だけど、だからこそ真一くんには諦めて欲しいの。
 こんな事をしても、誰も喜ばないわよ。友美さんだって困るだけでは無いですか?』
『今でも困っています。本当はその事で署長さんに相談に乗ってもらう為に行ったのです。』
『何ですか? その困った事って』
『今回の友美の誘拐事件の事を誰かが漏らして、友美と俺が陰口を叩かれています』

『何だって!』
『その内容も酷く、友美に至っては誘拐犯に乱暴されたって事になって居ます。
 俺の事は別に良いですよ。本当の事もあるし・・・。でも、友美の噂は許せない。
 そして、友達が調べてくれた結果どうも噂の出元は、
 ここの会社に親が勤めている子供からみたいなのです』
『真一くん、それは本当なの?』
『俺が直接調べた訳ではないのですが、多分本当です。その子は、郷子も顔は見た事ある子ですよ』
『じゃあ・・・。』
『そうです』
『それは、警察の方でも調べるから、もう止めないか?』
『なる程、じゃあ明日も明後日も我慢して調べがつくまで、酷い陰口を我慢しろと言うのですね?』
『それは・・・。』
『もう良いです。俺が直接聞いてきますので邪魔しないでください。』
『真一くんの気持ちも分かるが、無闇に人を傷を付けるのは犯罪なのですよ』
『ですよね。じゃあ署長さん黒幕を捕まえてくださいよ。俺たち傷付けられているのですから』
『それは・・・・。』
すると麻友が
『郷子さん、署長さん真一さんを行かせて上げてください。多分真一さん限界だと思うので、
 これ以上大人の事情とかを押し付けると真一さん以前みたいに成りかねないので・・・。』
『あのね麻友さん、証拠も無いのに真一さんがやろうとしている事をすると犯罪なの。
 下手すると麻友さん真一くんと一緒に居られなくなるわよ』
すると真一が
『郷子さん、冷静に物事を考えられて居ないのは郷子さんたちですよ』
『それどう言う事?』
『冷静に考えて見てください。郷子さん達の話を聞いて俺が逆上して会社に乗り込んだとしたら、
 郷子さんたちが来た頃にはどうなっていたか。俺がそんな悠長な事していると思いますか?』
『私たちは車だから、貴方たちよりかは早く着くのは当たり前です』
『仮にそうだとしても、警察署からここまでの時間を考えたら分かると思いますが・・・。
 俺には武器とか用意する時間とかも要らないのだからまっすくココに来たにしては
 遅いと思わなかったのですか?』
『先に言っておきますが、俺別に襲いに来た訳では無いですよ』
『じゃあ何しに来たの』
『関係者を社会的に抹殺しに来ました』
郷子たち2人は顔を見合わせた

『【社会的に抹殺しに来た】とはどう言う意味なのよ』
『そのまんまの意味ですが』
『真一くん何する気』
『関係者が絶望する姿と今回の一件を片付ける気ですが何か?』
『真一くん社会的抹殺って言うけどそんな事出来るの?』
『俺が出来ない事言うと思いますか? これを使えばイチコロでは?』
と言って組長から貰った書類のコピーを見せた。二人は驚かずには居られなかった。
『こんな物どこから手に入れたの?』
『入手ルートは言えませんが、それはコピーです。原本は安全な所に隠して居ますよ』
『ね。それを見た時の顔みたくてね。それを使えば社会的抹殺出来るでしょ?』
二人は黙り込んだ

『まだ止めます? 行かせてくれないのなら、ネットにバラ撒いても良いのですよ。
 だけどそれをすると関係ない人まで被害を被りそうだから、
 俺は今回の一件に関わった人だけと思って来たんですけど・・・・。』
『私たちを脅す気なの?』
『脅す? 変な事言わないでくださいよ。俺は脅して居ませんよ。必ず実行しますから』
『では、もう良いですね。行かせて貰います』
と言って行こうとすると郷子が
『ちょっと待ちなさい』
『まだ、何か?』
『いいから、ちょっと待って』
と言って真一を止めると
『署長さん、もうこうなった真一くんは止まりません。』
『そうですね・・・・。』
『私からの案なのですが、このまま真一くんたちだけ行かせるより私たちも一緒に行った方が
 良いのでは無いですか?』
『まぁ、それはそうですが・・・。』
そして署長は時計を見て
『分かりました。真一くんの望み叶えてあげますよ。
 真一くんがやりたい様にすれば良い。だけど条件があります。』
『何ですか?』
『それは、私たちも一緒に連れて行く事。
 もう1つはその真一くんが持っている原本を今回の事が終わったら私に渡す事、
 これでどうですか?』
『俺は別に良いですよ。それに俺も少ししか見て居ませんが郷子さんが
 喜びそうなネタも入っていましたよ』
と言ってもう一枚コピーを見せた。それは見た郷子は
『こんな事までしていたの・・・。』
『では、行きますよ。でも、何をしてもどんな事が起こっても止めないでくださいね。
 約束ですよ』
 二人は頷いた。