そして、麻友に
『分かって居るとは思うけど、乗り込むから』
『多分そう言うと思ってました。でも、暴走はしないでください』
『一応、考えておくが、約束は出来ない。今でもギリギリ理性を保っている所だから・・・。』
『そうですか・・・。私は真一さまに付いて行くだけですが、
 くれぐれも郷子さまや善太郎さまに言われた事を肝に銘じておいてくださいね』
『あぁ』
と言ってその場から立ち去ろうとした時警官に見つかり
『君たちそこで何をしているのかね』
『ト、トイレを探して居る内に変なとこに出てしまって困って居ました。
 すみません、トイレはどこですか?』
『ああ、トイレかトイレはそこを右に曲がって突当た所にあるが、普通は1階を使うものだぞ。
 今回は良いが気をつけろよ』
『はい、すみませんでした』
 と言って真一は難を逃れた。

一方、署長は外で何やら話し声が聞こえたのでドアを開け通りがかった警官に
『何やら騒いで居たようだか、何かあったのか?』
『いえ、少年と少女らしき者が署長室の前に居たので声を掛けてみるとトイレを探していると
 言っていたので行き方を教えておりました。』
『どんな少年と少女だった?』
『そうですね、少年の方は中学生くらいで、普通の感じでした。
 少女の方も中学生か高校生くらいでアイドル顔と言うか私の感覚では美少女って感じでした。
 あと、気づいた事と言えばどうも少女は少年のメイドみないな主従関係みたいな
 感覚を覚えました。』
と聞いた瞬間、署長と郷子は顔を見合わせ、同じ人物を想像していた。
そして今話して居た内容を聞かれたとすると非常にマズイという事にも気づき
急いで表に飛び出したが、そこに真一の姿は無かった。

真一はその頃ある所に居た。
『麻友、ここで合っているのか?』
『はい、間違いありませんが、どうしてここに来たのですか?』
『確認をする為』
『何をですか?』
『依頼主がどこの誰かを』
『そうですか、でもどの様に確認するのですか?』
『え? 本人に聞けば良いのでは? 実力行使で。こちらさんもそれが本業でしょ?』
『そうでしょうが・・・・。』
『まだ、大丈夫だよ。だから思いっきり脅かしてやろう。それとちょっと痛い思いもしてもらうけどね』
真一は、ドアを開けた
『失礼します。誰か居ますか?』
『お前誰じゃ』
『誰でもイイじゃ無いですか、それより組長さん居ますか?』
『ここは子供が来る所じゃないじゃ、さっさと帰らないと痛い目みるぞ』
『痛い目ってどんな目ですか?』
『それはな、こうじゃ』
と言って殴り掛かったが、その拳は麻友によって止められた。
『すみません、真一さまに触れないでもらえますか?』
『お、お前ARか?』
『はい。真一さまにお使えしています。』
『そうかARか、なら攻撃しても人間には手出し出来ないだろう。お前からやってやる』
『麻友、そのまま向こうの壁までふっとませ』
『はい』
と言うと麻友は、そのまま突き飛ばした。すると男は壁までふっとぶとそのまま気絶した。
騒ぎを聞きつけたのかゾロゾロ奥から出てきた。
『何事だ!』
『お前誰だ?』

『僕は真一と言う者です。そしてコイツか麻友です。よろしく』
『はぁ? 子供が何の用じゃ』
『そこの人にも同じ事を聞かれましたが、組長さんに会いに来ました』
と真一が言うと男たちは気絶している男を見て
『これ、お前がやったのか?』
『半分正解だけど半分不正解。その人は俺を殴ろうとしたから、そうなったのです。
 お兄さんたちも痛い目みたくなければ無闇に襲ってこないように』
『お前何言っているだ? この人数に勝てる気か?』
『1秒?』
『そうですね。正確にはそんなにも要らないです。』
『だ、そうです』
『ほう、そのお嬢さんが相手してくれると言うのか? ではやって貰おうじゃないか』
『そうですか、では全員参戦と認識して良いのですね?』
『そうじゃ、お前らやれ』
『麻友、あの人だけ残して後は全員気絶させて』
『はい』
真一が瞬きした次の瞬間、そこには気絶した男たちが居たそして残った一人に
『組長さんとお話したいのですが、呼んで貰えませんか?』
『お、お前ら何もんじゃ』
『普通の中学生と俺の可愛いARですが何か?』
『も、もしかして例の子供か?』
『はい? 俺この業界で有名になる事はしていないのだけど・・・。麻友心当たりある?』
『真一さま、それはご冗談のつもりですか?』
『半分冗談、半分本気』
麻友は、ため息を付いた。
『権堂をやった子供と言うのはお前か!』
『権堂? そんな人、知らないですが・・・。』
『そ、倉庫に居ただろう。』
『倉庫とはどこの倉庫ですか?』
『〇〇埠頭の倉庫だよ!』
『それは、一昨日起きた誘拐事件に使われた倉庫の事ですか?』
『そうじゃ』
『あぁ、それなら俺たちですね』
『でも、お兄さんの業界で【やった】は【殺した】と言う意味では無いですか?
 なら違いますよ。 殺そうとは思いましたが、殺しては居ません。生きていますよ。』
『じゃあ認めるだな』
『はい、認めますが』
『じゃあ、鉛玉をくれたやる』
と言って拳銃を撃ってきた。当然、麻友は受け取るって弾を床に落とした。
『お兄さん聞いて居ませんでした? 拳銃が効かないって。
 でも、お兄さんそれを使ったって事は覚悟は出来ているのですよね?』
男は続けて3発撃って来たが全て麻友に防がれてしまうと、その場に座り込んだ。
『何発撃っても同じですよ。』
真一は麻友にまだ大丈夫と言う事を伝える為にウィンクをすると
『お兄さん、覚悟は出来ましたか? もうお分かりだと思いますが、
 麻友は通常のARでは無いんです。だから、人を攻撃する事も出来ますし、
 命令すれば人間何て一瞬で・・・・。では、さようなら』
と言うと麻友の耳元で、
『ゆっくり、近づいて行って気絶させておけ』
と言った。麻友は言われた通りゆっくり近づいて行くと
『や、止めろ。俺をやっても、他の者に狙われるだけだぞ』
と苦し紛れに言うと麻友も乗ってきたのか、それとも本音を言ったのか解らないけど
『言い残す事はそれだけですか? 貴方に心配して頂かなくても大丈夫です。
 その時は、あなた方見たいな人が減るだけですから。』
『わ、解った。よ、呼ぶから殺さないでくれ』
麻友がこちらを見たので真一は頷いた。
『そうですか。では呼んでください』