学校に着いてもまだ眠たかった真一は机の上でウトウトしていると、遥香と友美が登校して来て遥香が
『真一くん今日は眠そうね。今日は夜ふかしでもしたの?』
『まぁそんな所かな?』
と言うと友美が
『寝不足は体に良くないですわよ』
『ありがとう。気をつけるよ』
と言って手を上げた。

案の定、午前中の授業は頭に入らなかったと思っていると静哉と将司が来て
『屋上で友美たちと食べようと思っているだが、真一はどうするんだ?』
真一は麻友にレシーバーで屋上に居る事を伝えて、
静哉たちと一緒に屋上に行くと遥香たちはもう来ていた。

真一が弁当を食べていると将司が
『真一、今日はアイツ等から何か言われたか?』
将司に聞かれて初めて気づいたが、今日は悪口やイヤミを言われていない。
『そう言えば、今日は何も言われてないよ。昨日の事が懲りたのか、
 それとも何かあるのか分からなけど 平和な事は良い事だ。特に今日は・・・・。』
すると遥香が
『『特に今日は』って言っていたけど、何かあるの?』
『別に何も無いけど、寝不足だから・・・・ね。』
それからも、色々喋りながら、昼休みの時間を過ごした。

放課後になり、真一はあれからどうなったか気になるので会社に向かった。

昨日と同じ様にゲートを潜り社内に入ると昨日と雰囲気が違って、
真一を見てはコソコソ話をしている。
真一は不思議に思いながらも会長室に向かった。
会長室に入ると誰も居なかったので、
いつもの様に廃品置き場に居るのかと思い行ってみたが善太郎の姿はなかった。
仕方ないのでもう一度会長室に行ったがやはり居なかった。
真一は帰ろうと思ったが一箇所だけ行っていない所がある事に気づき行ってみると善太郎は居た。
『会長さん探しました。』
『真一くんか。昨日は助かったよ。』
『俺は、ただ思いついた事をしただけで実際に疲れたのは社員さんですよ。
 それより、この部屋昨日とは雰囲気が変わりましたね。』
『それは、急ピッチで仕上げているからな。あと少しで君の部署も完成じゃよ』
善太郎は部下に指示を出していた。
真一は来た時の違和感を聞いてみた
『会長さん、どうしてか判らないのですが、
 俺を見てコソコソ話をしている人を多く見たのですが俺何か変ですか?』
『それは多分昨日の事の噂が広がったのだろう。
 ワシも『会長が天才学生を直属の部下にしたってお聞きしたのですが本当ですか?』と
 聞かれたよ』
笑いながら言った。

『天才学生って・・・・。それは俺の事ですか?』
『真一くん以外に誰が居るのじゃ。この会社に学生で出入りしているのは、真一くんだけだぞ。』
『それにしても【天才】は無いのでは?』
『まぁ会社の危機を約半日で救えば世間では【天才】と言うのじゃよ』
『何か恥ずかしい・・・・。』
真一が顔を赤らめているのを見て善太郎は
『そう言う顔をすると真一くんが学生なんじゃと再確認するよ。
 昨日の横顔は、とても学生には見えなかったからの』
と笑いながら言った。
『それで、新製品はどうなりました?』
『真一くんのおかげで無事乗り切れそうじゃよ。本当にありがとう。このお礼は何かで返すからの』
『気にしないでください。一応俺も、ここのバイトですから』
真一は頭を掻いた。
善太郎とはそれから小一時間喋ってから家に帰った。

夕方、真一が家で麻友と話していると電話が掛かってきた
『真一さま、遥香さまからお電話が掛かっております。』
真一はヘッドセットをして電話に出た。
『もしもし、俺だけど遥香なにか用事か?』
遥香がは泣きながら
『クラスの人に襲われてメリーを壊された・・・・。』
『え!・・・。それでメリーの様子はどうなんだ?』
『何をしても反応しない』
一層泣き出した。

『解った。今からそっちに行くから、今どこなんだ?』
遥香に教えてもらった場所に麻友と一緒に来てみると遥香はメリーに寄り添い泣いていた。
『遥香大丈夫か? お前は怪我とか無いか?』
『私は何もされなかったけど、メリーが・・・。』
『遥香、ちょっとメリーを見せてくれるか?』
メリーをざっと見てみた所、見た感じあまり酷い外傷は無いようだが、
メモリーなどの内部って事も十分考えられるので、麻友に調べてもらう事にした。
『麻友、俺が見た所では、外部は然程ひどい損傷は無い様だが、内部はどうだ?』
麻友はメリーの外部接続ポートから自分の外部接続ポートに繋ぎ調べている様子だった。
メリーを麻友に調査を任せて、遥香に詳しい事情を聞いてみた。
すると、真一に色々嫌がらせをしたが、自分たちの方が返り討ち状態になり、
真一を直接攻撃しようにも、麻友が居るので出来なかったので最近仲が良くて
その中でも一番弱そうな遥香が狙われたらしい。
真一は自分が原因でこの様な事になった事に、ものすごい罪悪感を覚えた。
『何と謝ったら良いか・・・・。
 俺が原因でメリーをこんな目に遭わせてしまって・・・・。本当にゴメン』
真一は頭を下げた。
『真一くんは悪くない。だから謝らないで・・・。』
とは言ってくれたものの、真一は罪悪感で一杯だった。

暫くするとメリーの検査結果が出たらしく麻友が
『真一さま、メリーさんの損傷具合が分かりました。』
真一と遥香は唾を飲んだ。