真一は
『その事は良いのですが、この会社に【PBコネクター】が使えるPCはありますか?』
真一が尋ねると優作が
『【PBコネクター】? それはウチのサーバーくらいした使っていないですね。
 と言いますか【PBコネクター】を使ったPCなど普通はありませんよ』
真一は
『そうですか・・・・。それじゃあ俺の家のPCを使いたいので運んで貰っても良いですか?』
すると善太郎が
『運ぶのは良いが、真一くんのPCには【PBコネクター】が付いているのかね』
『俺のPCは、ここの廃品置き場から貰ってきた物で作ったので、面白半分で付けてあるんです』
『そ、そうか、判った。では、ワシが車を出そう』
善太郎は、真一と共に家に向かいPC持って急いて会社に戻ってきた。

会社に戻ってきた真一は
『どこか空いている部屋と、この会社で一番高速回線が使えるポートを用意して頂けますか?』
すると善太郎が
『それなら丁度、真一くんの部屋を作っている最中だからそこを使うと良い。
 あそこなら、高速回線のポートもあるはずじゃ』
善太郎は真一を作りかけの部屋に案内してくれた。
真一は手早くPCなどをセットすると麻友に
『悪いが麻友にも手伝ってもらうぞ』
真一はPCと麻友を【PBコネクター】で接続した。
そして善太郎に
『これから調べますので、この会社の全PCにアクセス出来る権利パスワードを、
 教えて貰っても良いですか?』
善太郎に簡易のパスワードを教えてもらい麻友に
『このパスワードを使って新製品ARに関するデーターを動かした形跡を辿ってくれ。
 多分、この会社の末端PC或いは開発部のPCからメインサーバーにアクセスした形跡があるから、
 その行き先も辿ってくれ。』
『わかりました。結果はそちらのPCで宜しいですか?』
『それでいい。』
暫く待つとデーターが来た。
真一は解析した結果ある事が判った。
それは、昨日から新製品のデーターがメインサーバーから同一経路を使って社内のPCを経由した後あるIPアドレスに向かって送信されている。
そして今も尚送信が行われている。それに目を付けた真一は麻友に
『麻友、これからマーカーを流すからそれを使って送信先に潜り込めるか?』
『出来ます。』
『じゃあ今からマーカーを流すから目的地に着いたらこれを忍ばせて来い』
真一はハッキングした所は特定出来ているけど、証拠と本当にあるのか調査する為に、
その様な回りくどい事をしたのだ。

暫くすると麻友が
『真一さま完了しました。』
と言ったのでダミーPCに経路に切り替え、
今もなお送信し続けてい居るようにカモフラージュして、実際のメインサーバーから切断した。
次に相手のサーバーに侵入して本当に新製品のデーターがある事を確かめると、
真一の調査完了。

真一はPCと麻友を接続していたケーブルを抜いて
『麻友、ご苦労様。』
『真一さまのお役に立てて嬉しいです』

真一は会長室に入ると、先ほどの社員が居た。
『社長、メインサーバーに定期的にアクセスしているPCを発見しましたが、
 それは、ウチのPCでそれ以上は特定出来ませんでした。
 多分プロのハッカーの仕業かと・・・・。』
と報告していた。

真一が入口で立っていると善太郎が気づいて
『真一くんの方は何か判ったか?』
『犯人と侵入経路くらいですかね』

すると先ほど報告していた社員が
『そんなの分かるはずがない! 私たちが調べて分からなかったのだから!』
と言ったので真一は
『そうですか・・・・。では、調査はプロに任せます。
 では、会長さん、社長さん今日は帰ります。』
真一が麻友と一緒に帰ろうとすると善太郎が
『真一くん、機嫌を直して話を聞かせてくれんかの・・・。』
すると社員が
『会長、聞くだけ無駄です。どうせ適当な事を言うだけですよ。』
すると優作が
『君は黙っていなさい。会長はそこの少年の話を聞きたいと言っているのだから』
真一も本当に帰るつもりは無かったので
『それじゃあ、どうせ外れて居るとは思いますが、気分転換程度に俺の話でも聞いて頂けますか?』
善太郎は苦笑いしながら
『じゅあ聞かせて貰おうかの』
『まず、どこから話せば良いか判らないけど、侵入経路はここの開発部のPCですね。
 そして、社内のネットワークを経由してメインサーバーに侵入しています。これが証拠です』
真一は麻友の専用端末に予め書いておいたIPアドレスを見せながら話を続けた。
『多分一番上が開発部のホームIPアドレスで後は上から順に社内のPCを経由した後、
 最後のIPアドレスが外部IPアドレスなので、そこへ送信されたのだと思います。』
真一が説明すると善太郎と優作は
『なるほど・・・。で、この行き先はどこなのだ?』
『〇〇コーポレーションです。』
『〇〇コーポレーションって真一くん本当ですか?』
『俺がマーカーを流して、それを元に麻友に調べさせたので多分間違い無いかと・・・。
 一応確認はしましたが確かに新製品のAR情報もありました。
 今もなお送信し続けて居ましたので、俺がダミーネットワークを作って偽装しているので、
 このアドレスを使って自分たちの目で確かめて見ると良いですよ。』
真一はアドレスを書いた紙を善太郎に渡した。
善太郎は、会長室にあるPCで優作と2人で確認して見ると真一が言った通りライバル会社の
ネットワーク上だった。
『俺が調べられたのはこれくらいですかね。』
善太郎が
『殆ど調べ上げているでないか』
真一の説明を聞いた社員は
『嘘だ。こんな学生1人で調べられる訳が無い。』
『そうですね。俺1人では無理だったかも・・・・。麻友が居てくれたから、出来たのだけどね』

すると社員の人が勝ち誇ったように
『ほらみろ、その学生が凄いのでは無く、その【麻友】と言う女性が凄いのではないか!
 それを如何にも自分の手柄の様にしゃべりあがって。
 たかが学生がそんな事出来る訳ないと思っていた。
 君は恥ずかしくないのかね、人の褌で相撲をとる様な真似して』
真一を貶していると、真一の横に居た麻友が瞬間移動でもしたのではないかと思うくらいの
スピードで、その社員の後ろに立つと
『それ以上、真一さまを侮辱するのでしたら二度と口が利けない様にしますよ。』
と今まで聞いた事無い様な低い声で社員の耳元で囁いた。
真一は
『やめろ』
と言うと麻友は真一の斜め後ろに戻ってきた。