教室から出て帰ろうとしている真一を友美たち5人が呼び止めた。
『真一さん、ちょっと麻友さんについてお話が聞きたいのですが、屋上まで来ていただけませんか?』
と友美が言って来た。
真一は『そりゃあ、怪しむよね』と思いながら『わかった』と言って友美たちと一緒に屋上に言った。

『私は回りくどり言い方は嫌いなので、単刀直入に聞きますが、麻友さんは違法ARですか?』
『将司にも同じ質問されたけど、麻友は違法ARじゃあ無いよ。
 もし違法ARなら学校が許可出さないだろう。』
『じゃあ麻友さんのあの動きは何なんですか? 別に自慢している訳では無いですが、
 ディートは国内でも数台しかない特別製の警護用にカスタマイズされたARですが、
 そのディートさえ麻友さんの動きは真似出来ないと言っているのですよ。』
『そんな事を俺に言われても困るのだけど・・・・。』
すると今度は遥香が
『あ、あの・・・・。真一くん私も一つどうしても聞きたい事があるのだけど良いかな?』
遥香とは喋った事が無かったので突然喋りかけたれて驚いた。
『な、何? 俺に解る事なら答えるけど・・・・。』
『さっき、競技場で麻友さんが使っていたワザってどうやって知ったのですか? 
 麻友さんは自分のワザの様に使いこなして居ましたが・・・・。』
『知ったも何もあれは俺がゲームで使っているワザを麻友に教えただけだけど?』
そこに居た全員が驚愕の事実のあまり言葉を失ったが、その沈黙を破ったのは、静哉だった。
『ちょっと待て。あのAR格闘ゲーム世界ランク1位の【S,Sinichi】ってお前なのか?』
『そうだけど? 実際にはARを持って居なかったから、
 ゲームとは言え自分のARを持てた喜びでのめり込んでしまって気がついたら
 世界ランク1位になっていた。』

すると将司が
『俺からも一つ良いかな?』
『何?』
『どうして、俺との試合の時は麻友くん消えた様に見えたのに、
 さっき皆とした試合は麻友くんの姿は見えたんだ?』
『お前とした時は消えたのでは無くて、人間の目では見えなかっただけ。
 そして、さっきの試合で見えたのは、見える様に麻友に動きを遅くしろと命令したから
 見えただけだよ』
『じゃあ、俺との試合は全開でやったって事?』
『お前のARには悪いけど、麻友は全力の1%くらいかな?』
『1%・・・・。』
真一の答えに将司はがっくりしていた。真一も悪いと思い
『ごめん・・・。普通はここで華を持たせて嘘つくべきなんだろうけど、
 そう言うのはしたくないから、正直に言ったが、ここは嘘でも大げさに言うべきなのか?』
『いいや、本当の事を言ってもらう方が俺は嬉しいよ。同情なんていらない。事実の方が知りたい。』

裕二は自分が撮っていた麻友たちの試合の映像を見ながら
『それにしても、この動きはすごい。現実世界でこんなのが見れるなんて!!』
興奮していた。
遥香は
『そんなすごい麻友さんをどうやって作ったの?』
真一にとって一番説明しにくい事を聞いてきたが答えない訳にはいけないので、真一は嘘を混ぜて答えた。
『俺は金ないから、麻友の部品類は知り合いのAR会社の廃品置き場から貰って来て作った。
 実際のAIシステムとかは俺が書いたけどね』
『本当に最初から作ったの?』
『最初からと言われても何をもって最初と言うのか判らないけど、成形作業以外は自力かな?』
『当然、駆動系のモーターやチップは貰いモノだけどね』
『す、すごい・・・・。私、自作用のパーツから作ったのかと思ってた』

すると友美が
『私が知っている限りだと認可されたパーツ以外でARを自作したら違法だと思うのだけど?』
『と言われても・・・・。審査は通ったとしか言えない。』
友美の疑問に真一が困っていると麻友が
『あの・・・・。真一さまちょっと宜しいでしょうか?』
『何?』
『社長さんから貰ったカードを見せれば宜しいのではないでしょうか?』
『そうか! そうだよね! 麻友よく気づいてくれた』
【特殊AR使用許可】を友美たちに見せた。
『なぁ、本当だろう?』
友美と遥香はカードを見た瞬間に固まっていた。
静哉と将司そして裕二は不思議そうな顔をしながら
『真一が持っていたそのカードは何なんだ? 俺たちが持っている様な【AR登録書】か?
 でも俺が持っているカードとは違う様な気がするが・・・。』
静哉が聞くと友美は
『こ、これって・・・・。私、父から聞いた事あるだけで・・・・。』
『友美ちゃん、これってもしかして【特Aブラック】?』
すると将司が
『【特Aブラック】? なんだそれ? そんなに珍しいのか?』
『私も話を聞いただけだから実際に存在しているとは思ってなかったけど、
 世界に4体だけ存在すると言われる特殊ARを使用が許可された者だけが持ってる
 伝説のカードです。』
続けて遥香が説明した。
『そしてARのスペックは1体で世界を征服する事が可能って言われてる・・・・。
 だから、一般人では持つ事を許されないとなっている超特殊カードらしいです。』
すると友美も
『私も父から聞いた話で、遥香さんと同じ様な事を言っておりました。』
遥香たちの説明を聞いた静哉が
『じゃあ、何で真一がその珍しいカードを持っているだ?』
『そうなんです。真一さんはなぜこの様なカードを持っていらっしゃるですか?』
『なぜ? と聞かれても困る。
 level7の麻友を所持するにはこれが必要と言って渡されただけだから・・・・。』
驚きのあまり遥香は叫んでしまった。
『level7!!!!!!』
『え! 知っていたんじゃないの?
 そのカードについて詳しいから、知っていると思っていたのに・・・。』
『そこまでは・・・・。なるほどlevel7だから伝説とまで言われるのか・・・。』
遥香は変に納得していた。
将司は友美に質問した。
『友美さん、【level】って何ですか?』
『私も詳しくは知りませんが確か普通は【level5】までで、
 特殊な警護用が【level6】って事になっていたはずです。』
と答えると遥香が付け足した。
『ちなみに私たちのARは【level3】で、友美ちゃんのARは【level4】だと思うよ』
するとディートが
『遥香さまがおっしゃる通り私は【level4】でございます。』
そこで疑問に思った静哉が
『じゃあ真一が言っている【level7】って言うのは?』
『エンジェル』
裕二がぼそっと言った。
すると遥香が
『そう、ARに詳しい人なら一度は聞いた事がある都市伝説化しているARです』

そして裕二が詳しく説明しだした。
『本当は【level6.5】と言う詳細は秘密になっているARがあるんだけど、
 それが友美さんが言っていた世界に4体しかないARだよ。
 だけど【level6.5】って中途半端な分け方なんだろうと噂になって、
 いつの間にか【level7】って付ける事が出来ないから
 【level6.5】と言う中途半端な数字になったじゃないかと言う事になった。
 当然、都市伝説化した話だから信用性は判らないけどね』
裕二の説明に疑問に思った友美が質問をした。
『その説明だと真一さんが【level7】のARを持っている説明になっていませんわよね。
【level6.5】のARが伝説化しているのは分かりましたが、麻友は【level7】ですよね?』
真一は変な憶測が飛ぶのは嫌だから正直に話す事にした。