題名:Jangan Investasi Emas sebelum Baca Buku Ini!(『この本を読む前に金投資はするな!』)
著者:Joko Salim
出版社:Visimedia (2010年)



$インドネシアを読む-investasi emas



東日本大震災で被災された方々、二次被害を受けられた方々に心からお見舞い申し上げます。

で、こんなご時世になんですが、今回は金投資の話です。

インドネシアでも書店に行くと「いかにして儲けるか」をテーマにしたビジネス書がずらずら並んでいるのですが、
これもそんな中の一冊。著者は中部ジャワ州マグラン出身の中国系インドネシア人。

金融にはてんで疎く、株もやったことがないし、数字を見ると頭がまっしろになる私ですが、近頃ちょっぴり金投資に関心を持っておりまして。といっても、今のところ投資すべき元手がないので、実際に手を出すのはまだ先の話になりそうですが。

そんなズブの素人にもわかりやすく書いてある、なかなかありがたいガイドブックです。なにしろ投機なわけだから、必ずリスクが伴うということもちゃんと強調してありますし。

むずかしい金融用語の並ぶ抽象的な説明ではなく、どこで金を売買するか、手数料等がいくらぐらいか、利益率の計算の仕方などなどが具体的に書いてあります。各ページの左右の端に、ポイントになる部分が大きい活字で書き出してあるので、全文をていねいに読まなくてもだいたいわかるようになっているのも便利です。

インフレの激しい現在のインドネシアでは、長期にわたる場合は現金預金よりも金の方が確実かもしれません。土地のように売買に時間もかからず、巨額の税金もかからない。いつでも現金化できるし、担保にもできる。それに、世界的に金相場が下がったときは、ドルがルピアに対して値上がりするので、ルピアで投資している場合は価格があまり下がらずにすむとのこと。

なかなか魅力的な金投資ですが、日本のように銀行が純金積立のような至れり尽くせりの商品を用意してくれているのならともかく、インドネシアの金屋に買いに行ってもだまされるのがオチではないか? ……と思っていましたが、インドネシアでもイスラーム銀行やイスラーム質舗などに金投資のプログラムがあるそうです。手数料を払って売買の代行をしてもらうわけですから、金屋で直接買うより割高になりますが。

それでも銀行なら安心…ともいえないんですけどね。つい最近シティバンクで行員が顧客の口座から巨額のお金を着服していた事件が発覚したばかりだし。

ともあれ、インドネシアでの金相場のチェックと売買はまずここで。
PT. Aneka Tambang (ANTAM)
Unit Bisinis Pengolahan dan Pemurnian Logam Mulia
Jl. Pemuda No.1 – Jl. Raya Bekasi Km.18, Pulo Gadung, Jakarta 13210
Tel: 021-4757108
e-mail: lm@logammulia.com
http://www.logammulia.com

普通に売買するだけでなく、買った金をイスラーム質舗などで質に入れてお金を借り、そのお金でまた金を買い…ということを何回か繰り返し、金の価格が上がったら手元にある金を売り、そのお金で質入れした金を受け出してまたそれを売り…という具合にして財産を増やす「金畑(Kebun Emas)」テクなんてのもあるそうです。

それから、もちろん先物取引も。
http://www.marketiva.com/

でもこういうのは株と同じで、まめに相場をチェックして、抜け目なく計算高く取引しなければならないだろうから、
とても私の手には負えません。長期の定期預金代わりに金でも買っておくか、というところが精いっぱいでしょうか。