小姐に騙される日本人男(三) | 武漢の歩き方

小姐に騙される日本人男(三)

「アナタの部屋・・・・今から遊びに行ってもいい?」



時計は既に深夜3時をまわっている。この時間に男の部屋を訪ねてく

るってことは・・・・もちろんそういうことだろう。僕は迷わずルームナン

バーを教えた。


30分ほどして紅霞が部屋にやってきた。お椀型をした紙コップの親分

みたいなのに、毒々しい色をしたラーメンらしきものが入っている。



「食べる?美味しいよ」



とても食べる気にはなれなかったが、断るのも悪い気がして一口も

らって食べると、なんだか雑草の味がした。紅霞はベッドに腰掛て

美味しそうに毒々しいラーメンを食べた。



「日本に帰ったら、他の女の子と遊ぶの?」


「いや、遊ばないよ。っていうか、女友達とかいないし」


「でも、クラブとか行くでしょ?」


「まぁね。最近は仕事忙しいから、たまにしか行かないけど」


「でも、たまに行くんだ・・・・なんかヤダ」


「はぁ?なんだそれ・・・・行っちゃダメなの?」


「私はアナタの彼女じゃないから『行っちゃダメ』なんて言えない」


「(言ってるようなもんじゃないか)・・・・・・・」


「だけど、私はアナタのことが好きだから、行ってほしくない」


「ちょっと待ってよ・・・・まだオレたち知り合ったばかりでしょ?

オレのことまだよく知らないのに、なんで好きになったの?」


「・・・・なんていうか忘れた。えーと、最初に見て好きになるの。

 日本語でなんて言う?」


「『一目ボレ』のこと?」


「あぁ・・・それだ。それで私はアナタを気に入ったの」


「他にカッコいい日本人いくらでもいるじゃん。なんでオレなの?」


「・・・・アナタは私のこと嫌いか?」


「いや・・・・そんなことはないよ」


「じゃあ、私のこと好きか?」



選択肢が2つしかないというのも極端すぎて面白い。彼女が思う男女

間には、好きと嫌いだけしか存在しないだろうか?


でも実際に紅霞のことを好きになっていたので、もちろん答えは決ま

っている。



「・・・・うん。好きだよ」


そういうと、紅霞は僕に唇を重ねてきた。そしてジッと僕を見つめて
中国語でなにか言っている。



「何言ってるのか全然わからないよ(苦笑」


「日本人はウソつきが多いって言ったの(笑) シャワー浴びてくる」



日本人はウソつきが多いとはどういう意味なんだ? もしかすると紅霞

は過去に日本人と交際していた事があるのかも知れない。日本で働い

ていたこともあるって言ってたし・・・・出会ったばかりの男の部屋にや

ってくるのも不自然すぎる。一目ボレって普通はもっとカッコいい男に

するもんだろうし・・・・。判らないことだらけだ。



タオルを巻いただけの紅霞と入れ替わりで、僕もシャワーを浴びた。


ベッドルームに戻ると電気は消えていて、紅霞はベッドに潜り込んで

いた。僕もベッドに入ったのだが、紅霞は何も言わない。


これってOKなんだよな?違うのか?


独り悩んでいると、紅霞が聞いてきた。



「私とSEXしたいか?」



そりゃしたいけど『SEXしたいか?』って聞かれて『うん』って答える
のもちょっと・・・・。



「まぁ、したいけど・・・・SEXだけじゃなくて色々と・・・・ね」


「どういう意味?」


「あのさ・・・・紅霞っていま彼氏いないっていってたじゃん?」


「うん。いないよ」


「したらさ、オレたち付き合わないか?」


「恋人ってこと?」


「うん。・・・・ダメ?」


「いいよ。じゃあ、私はアナタの彼女ね」



紅霞は笑顔でそう答えると、僕に抱きついてきた。


そしてその晩、僕は紅霞と初めて関係を持った。と、同時に中国

人小姐『紅霞』という彼女が出来たのだった。



朝起きると、ベッドの上で紅霞が僕を見つめていた。そして笑顔で

「寝てる顔がカワイイ♪」と言ったあと、「浮気したら許さないよ」と

真剣な顔をして、僕の愚息を力いっぱい握り締めた。



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