【 詩のメールマガジン 配信しました 】

 

 

 

 

 

 

 


     翼

 

 

 

 

 


   鳥の朝に 柱時計はありません
   腕時計も 手帖の余白もありません
   わたしたちの記憶には 少しも迷いがない
   何千万年ものあいだ ぽたりぽたりと 積み重なる
   しずくの音があるだけ これまでも そしてこれからも
   大波の壁を切って さかのぼる
   何十万羽もの 声があるだけ


   
   わたしたちは なんでも知っている


   
   風の香りで 雪の近いことを知る
   わたしたちに 日々はない 悔いもなく
   傲りも 虚栄のわなもない
   生きものの 原始の呼吸から
   わたしのこの小さな額まで
   途切れることなく 受けついできた
   そう、叡智です


   わたしたちは 人間たちよ
   地球の翼なのです。