光と風と夢

 

 

冬休み最終日、以前撮った写真の整理をしていたら

 

 

こんなものが見つかった。

 

 

中島敦の「光と風と夢」、

 

 

 

これは R.L. Stevenson (あの「宝島」の作者)の生涯を

 

小説として描いたもので、

 

同じく南洋に一時期暮らした、中島敦ならではの

 

題材の求め方だなと思った。

(しかしここには意外なようで、意外でもない事実があるよう)

 

 

薔薇の花は、カバーとは関係なく、

 

 

単にこれを撮ったとき、カバーのデザインが寂しいなと思ったので

手近の一輪を添えてみたんじゃないかな。

たぶん。

(自分でやったことだけども、覚えていない)

 

 

このタイトルだけで、もう素晴らしいと思うのだけど

 

 

実はこれは彼の死後につけられたもの(本人がつけたのではなく)。

 

だからか、なんとなく中島敦らしくない、ちょっと気障な響きが

 

あるようなないような。

 

それはそれとして、やっぱりいいタイトル考えたなあと

 

思う。作家の知人の考案だろうか。

 

それから、驚くべきことは

 

(意外なようで、意外でもないこと)、

この小説はけっして、中島敦本人の南洋体験を基にして

書いたのではないということ。

 

南洋に赴任するよりも前に、書かれていたというのだから。

 

 

 

以前、あるミュージシャンが

 

 

「人は誰でも、自分自身の占い師」と言っていたのを

思い出す。

どこへ向かうか、決して突発的に決まることではなくて

(表面的には「急に」と見えることもあるけど)、

 

たくさんの時間の厚みが、人を運んでいるんだろうなと思う。

 

 

 

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