人生の意味1
自分が、存在する。これは奇跡だ。人生が、存在する。これも奇跡だ。なぜだかわからないけれども存在する自分がこの人生を生きているなんて、なんて不思議でとんでもないことだろう。まさか今さら両親から生まれたなんてことで、この不思議が納得できるわけがないよね。だって、その両親が存在するということだって、やっぱり同じ奇跡なんだから。
人生が存在するということ自体が奇跡なんだから、そこで味わう苦しみだって、奇跡だ。なぜあるのかわからないものが、なぜかあるんだから。そんなふうな、あること自体の驚きの感情を失うのでなければ、苦しみの意味や理由を求めて悩むことは少なくなるだろうし、人生が空しいだなんて思うこともなくなるだろう。なぜか宇宙が存在して、星々が永遠に生成消滅を繰り返しているなんて奇跡的な出来事が、どうして空しいことであるはずがあるだろう!
引用:池田晶子「14歳からの哲学」
何だか、救われる、とでもいうような文章だ。
存在の奇跡の前には、あらゆることが色褪せてしまう。
人生で味わう苦しみが奇跡だなんて!
あること自体の驚きの感情を失うのでなければ
ほんとうに、こどもの目であらゆることを眺めてみると、何もかもが奇跡だ。
大人になるにつれ、あまりにもいろんなことに慣れすぎた。
何ももが当たり前のことだと思っているけど、当たり前のことなんて、ほんとうはない。
当たり前を疑うことから新しい目が開けてくる。
どうしてあるのかわからないこの人生を今生きている私、あなた、みんな奇跡だ。
奇跡と奇跡が日々出会って、いろんなことが繰り広げられてゆく様は、もう奇跡の連続!
私たちは、毎日奇跡を生きている。
そんなふうに考えられたら、人生は空しいとはあまり思わなくなるだろう。
~つづく~