メディアと書物

絶対に間違いがないのは、だからこそ、古典なんだ。古典は、考える人類が、長い時間をかけて見抜いた本物、本物の言葉なんだ。消えていった幾千の偽物、人の心に正しく届かなかった偽の言葉の群の中で、なぜその言葉だけは残ってきたのか、はっきりとわかる時、君は、いにしえの賢人たちに等しい知識を所有するんだ。これは、ネットでおしゃべりするなんかより、はるかに素晴らしいことじゃないか。

引用:池田晶子「14歳からの哲学」


古典、という響きがよい。

世に出される幾多の本も、時代とともに読まれなくなり忘れ去られてゆく。

そのなかでも、人々に読み継がれ、残り続けてきたのが古典と言われる書物だ。

忘れ去られ消えていった書物と、残っている書物との違い、その差は何か。

なぜその言葉だけは残ってきたのか!!

ほんとうに大事なものは、人々の胸、腹に響き、腑に落ちてゆく。

体の中に入っていくのだ。

体に入った言葉は、人生の支えになる。

内側から支えるのだ。

先人の智慧は受け継がれ、残ってゆく。

~つづく~