「14歳からの哲学」友情と愛情、を読む１５２

友情と愛情

さっきは、自分を愛することができない人は他人を愛することができないと言った。これはそれと反対のことを言っているように聞こえるかもしれないけど、そうじゃない。もしその人が本当に自分を愛しているのなら、他人に自分を愛させようとすることはないはずだ。そんなことをしなくても、自分で自分を愛しているからだ。

引用；池田晶子「14歳からの哲学」


「その人が本当に自分を愛しているのなら、他人に自分を愛させようとすることはないはずだ」

これは、次のように言うこともできる。

「その人が本当に自分を認めているのなら、他人に自分を認めさせようとすることはないはずだ」

世の中、人に認めてもらいたいという人が多いが、自分で自分を認めていたら人に認めてもらう必要なんかほんとうは、ないはずだ。

そんなことをしなくて、自分で自分を認めているからだ。

自分を愛すること、自分を認めること、自分を受け容れることは、ほんとうの意味では、ものすごく難しいことなのかもしれない。

これを学ぶために、この世で生きているのかもしれない、というくらいに。

独り静かに座って自分を見つめてごらん、と池田さんの声が響いてくる。

～つづく～