友情と愛情

そんなふうに自分を愛し、孤独を味わえる者同士が、幸運にも出会うことができたなら、そこに生まれる友情こそが素晴らしい。お互いにそれまで一人で考え、考え深めてきた大事な事柄について、語り合い、確認し、触発し合うことで、いっそう考えを深めてゆくことができるんだ。むろん全然語り合わなくたってかまわない。同じものを見ているという信頼があるからだ。

引用:池田晶子「14歳からの哲学」


この部分は、この本全体の中でも特に好きなところだ。

「むろん全然語り合わなくたってかまわない。同じものを見ているという信頼があるからだ。」

ここは、心をわしづかみにされる。

池田さんと直接語り合うことはできないけれど、しかし同じものを見ているという信頼はある。

そのことだけで、どれほど心強く生きていけることだろう。

生きている人間同士でなくても、言葉を介して、こんなにも深く友情を結ぶことができるなんて!

言葉のちからを感じます!
池田さん!

~つづく~