状況は違えど、みなそれぞれ
初恋っていうのを体験してきたかと思うから。
今回は俺のそんな話を。
俺は小学校1年の時、実家の近くの小さな
分校に通ってた。
分校って分かるかな?今あんまりないと思うんだけど
地区が離れてるところだったりすると
その地区限定で小さい学校が本校と分かれてつくられたり
するの。
俺がいた分校は結構昔からあって
んで生徒がもう20人くらいしかいなくて
小1が終わる頃に廃校になったんだ。
それで、本校に引っ越したという。
そこで出逢ったのがある女の子。
衝撃を受けたよ
なんて可愛いんだって。
この世のものではないようだった。
高嶺の花だった。
最初はそんなに意識はしてなかったんだ。
でも、仲いい友達に
「お前、あいつのこと好きでしょ」って
言われてから、ちゃんと認識するようになった。
俺は、あの子が好きだったんだ...。
でもまだ小学生だったし
「好き」の意味もしらなかったから
ただ胸がうずうずする感覚と
常に頭の中に彼女がいるっていうことに
苦しめられることしか分からなかった。
夜もずっと、毎日彼女のことを考えた。
教室でも気付いたら、目で追ってた。
そんな日々が、小2から小5まで続いた。
そして、季節は春。
俺は、告白することにした。
へたれだから、手紙で。
超汚い字で、「ずっと好きでした」って
大きい字で書いたの。
ほんと不器用すぎて笑えてくるわ。
それからね、確か1週間くらいして
友達伝いでお返しの手紙がきて。
そこにはね、こう書いてあったんだ。
「手紙ありがとう。嬉しかった。
私もずっと好きだったの」
嘘だろ...?って思った。
あんな可愛いあの子と俺が両想い??
何回も何回も読み直して、でも夢じゃなかった。
心臓が飛び出そうなくらい嬉しかった。
これが初恋が叶った瞬間だった。
だけど、これで終わりじゃなくて
この先もあるんだけど。
あの子と「付き合い」はじめてからというもの
俺はどうすればいいのかまったくもって分からなかった。
「付き合う」ってことがどういうことなのか。
何をすることなのか、まったく知らなかったんだ。
だから、ろくにデートにもいかなかったし
手も繋いでない。もちろんキスも。
今考えたら当たり前の結果だったんだなって思う。
それ以上にもし、もっと後に付き合っていたら
よかったのかなって。
俺たちはその年の冬に別れた。
「私たち、やっぱり友達のままのほうがいいと思う」
そう手紙が届いた。
最後まで、直接、心を見せ合って会話することができなかった。
頭が真っ白になった。
発狂しそうになった。
なぜだかわからないけど、気付いたら
もらった手紙を全部捨ててた。
あのときは何も考えられなかったけど
今よく思うことがある。
どんな気持ちで、あの手紙を書いたのかな。
あのあと、いつまで俺のこと、好きだったのかな。
もし、また告白したら、OKしてくれたのかな。
あの時、叶ってしまったせいで
一生叶わない初恋になってしまった。