こんばんは。


今日は、昨日書けなかった
交響詩「フィンランディア」の話です。
シベリウスの作品では
一番有名ではないでしょうか。


フィンランドが当時ロシアの統治下に
あったことは以前書きました。

当時のロシア皇帝ニコライ2世は
フィンランド人への統治を
強化していました。

1899年には、ニコライ2世によって
「二月宣言」と呼ばれる命令が出され、
事実上自治を終結させ議会の廃止など
強圧的な支配を強めていました。


そういう状況下で、
政治的には中立的だったシベリウスも
時流の波に乗る形となりました。


フィンランドの独立運動が
「歴史的情景」という劇に、
伴奏の音楽(BGM)を
書くことになったのです。

 

劇の上映後、最後の力強い曲は
翌年のパリの万国博覧会で
単独で演奏することになりました。

シベリウスは「スオミ」と
名前を付けます。

「スオミ」とはフィンランド人が
フィンランドを呼ぶときの言葉です。


独立運動を恐れたロシア政府は
「スオミ」と名のつく曲の
演奏を禁止しました。

そのため曲名は二転三転し、
いつしか「フィンランディア」という
名称が定着します。



この曲は本当によくできた曲です。
冒頭は暗く重く、ロシアの圧制を
描くかのようもあり
不屈の精神を描くかの
ようでもあります。

曲は途中から
非常に快活になり、
独立運動を励ますような
音楽になります。

さらに音楽は静かなフィンランドの
自然を歌うような音楽になります。


この部分は後に歌詞がつけられ
「フィンランディア賛歌」と
よばれ独立し、日本でも
独立して合唱などで歌われます。

 



最後に音楽は元気を取り戻し
勝利を歌い上げるように
高らかに終わります。


シベリウスにしては
とても分かりやすい曲なので、
聴いたことが無い方は
ぜひ聴いてみてください。

それではまた。