「ことばはつねに遅れて届く。わたしたちの理解もまたかならず遅れて届く。
この世に、遅延せずにとどくものはなく、わたしたちの祈りはつねに遅れ、
今日もソーシャルメディアが傷を無限に再生産し、インターネットに拡散しつ
づける。
《あのひと》がいなくなった場において、あのひとがかえってこない場において、
わたしたちはあのひとへ届かないメッセージを送り続ける。
読むことは、その遅れについて知ること。そして書くとは、理解されることの
ないことばを、とりもどせぬ過去へと送ろうとすることだ。
宮尾の詩は不可避の遅延について書く。その矛盾と真正面から向き合った時、
ことばは壊れる。それが『戦争』だとわたしは理解している。」
引用:『宮尾節子「明日戦争がはじまる」』
https://marginalsoldier.jp/archives/309
上の画像:『明日戦争が始まる』 by 宮尾節子
