「そもそもアイヌは、かつて自在に行使することができた各種の権利を(権利意識などないままに)有していた。鮭等の捕獲権、熊・鹿等の狩猟権、各種木本・草本の採集・利用権、言いかえれば河川・山の利用権等がそれである。

 だが『開拓使』はそれらの権利を剥奪した。北海道という名称付与もアイヌモシリ(アイヌの静かな大地)の無主地扱いもそうだが、これらはアイヌに何の相談もなしに開拓使が決め、後に3県庁(函館県・札幌県・根室県)および道庁がより大きな規模で追認した施策である。特に道庁は、『北海道国有未開地処分法』により、『他に従来の採取生活を続け得べき広大な未処分未開地」』(高倉新一郎『アイヌ政策史』日本評論社、1942年、534頁)をアイヌから最終的に奪いとった。」

 

画像(サケを祭壇に供え、川の神に祈るアイヌの儀式「ペッカムイノミ」=2015年、白老町)と引用:『アイヌから奪われた「先住民の権利」とは何か』杉田聡 (2018/08/15)

https://webronza.asahi.com/culture/articles/2018081400004.html

注:「ペッカムイノミ」とは、初サケを迎えるアイヌの儀式である。

 

★アイヌ伝統儀式用のサケ捕獲で、道警取り調べ

「アイヌ民族の畠山敏さん(77)が北海道紋別市の川で、サケ漁は先住民族の権利(先住権)だとして、道に許可申請をせずに伝統儀式用のサケを捕獲し、道警の取り調べを受けた。先住民族が伝統的に行ってきた漁などは国際的に権利として認める流れにある。しかし日本ではアイヌを法律で『先住民族』と明記しながら先住権を認めず、畠山さんの行為は「違法」に。捨て身ともいえる畠山さんの行動が先住民族とは何かを問いかける。」

引用:『逮捕覚悟 先住権問う「アイヌの伝統」許可申請せずサケ漁』東京新聞 2019年9月17日 夕刊

https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019091702000260.html