「だだっぴろいライ麦畑みたいなところで、小さな子どもたちがいっぱい集まって何かのゲームをしているところを、僕はいつも思い浮かべちまうんだ。何千人もの子どもたちがいるんだけど、ほかには誰もいない。つまりちゃんとした大人みたいのは一人もいないんだよ。僕のほかにはね。それで僕はそのへんのクレージーな崖っぷちに立っているわけさ。で、僕がそこでなにをするかっていうとさ、誰かその崖から落ちそうになる子どもがいると、かたっぱしからつかまえるんだよ。つまりさ、よく前を見ないで崖の方に走っていく子どもなんかがいたら、どっからともなく現れて、その子をさっとキャッチするんだ。そういうのを朝から晩までずっとやっている。ライ麦畑のキャッチャー、僕はただそういうものになりたいんだ。」(『キャッチャー・イン・ザ・ライ』DJサリンジャー、村上春樹訳)

(文中の下線は本来は濁点。photo-http://goo.gl/3coR8T)