ロシアとの首脳会談見送り=元CIA職員亡命も一因―米大統領 米ホワイトハウスは7日、モスクワで9月3、4両日に実施する予定だった米ロ首脳会談について、懸案で十分な進展を得られていない現状では建設的でないとして、ロシア政府に延期を通知したと発表した。元中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン容疑者(30)の一時亡命承認という「ロシア側の失望を招く決定」も会談見送りの一因だと指摘した。
米ロ首脳は今年6月の会談で再会談に合意していたが、米政府はスノーデン容疑者の亡命後、「有益かどうか見極める」として開催の是非を再検討していた。決まっていた首脳会談のキャンセルという異例の展開を受け、米ロ関係の一段の悪化が鮮明になった。ホワイトハウスは声明で「2国間の懸案に関し、首脳会談を開くに足る進展を最近は得られていない」と指摘。ミサイル防衛や軍備管理、人権問題などを懸案に挙げ、「共通する課題で一段の成果を得るまで会談を延期する方がより建設的だ」とロシアに伝えたと明かした。スノーデン容疑者の亡命承認についても「米ロ関係の現状を評価する上で加味した要素になった」と強調した。
首脳会談見送りにより、オバマ大統領の目指すロシアとの新たな核軍縮交渉の開始は当面望めなくなり、シリア情勢や、転機を迎える可能性のあるイランの核問題といった懸案でも米ロの協調は困難になった。米ロ間の不和は、国際情勢全体に大きな影響を与えることになる。ただオバマ大統領は、9月5、6両日にロシア・サンクトペテルブルクで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議には出席する。米政府はまた、ロシアとの外務・防衛閣僚級協議(2プラス2)を予定通り今月9日にワシントンで実施することも決めており、ロシアとの協議のチャンネルは維持していく方針だ。
米ロ首脳会談のキャンセルに伴い、オバマ大統領は9月4、5両日にスウェーデンを訪問する。