森・プーチン会談 極東エネ開発 露が秋波 欧州向け低迷、日本に代表団派遣へ
産経新聞 [2/23 07:55]
【モスクワ=遠藤良介】ロシアが日本との資源・エネルギー分野の関係拡大に意欲を見せている。モスクワで21日に行われたプーチン大統領と森喜朗元首相の会談でも、ロシアの石油・天然ガスの開発や対日輸出が主要議題の一つとなった。プーチン氏は近くノワク・エネルギー相を団長とする代表団を日本に派遣する考えを示した。プーチン氏は会談で北方領土問題の解決に取り組む考えを示す一方、エネルギー協力について自ら詳細に語った。代表団派遣は議題として事務レベルで調整されたものではなく、この分野にかけるプーチン氏の意気込みが表れた形だ。
プーチン氏の最側近である国営石油「ロスネフチ」のセチン社長も会談に先だって訪日し、オホーツク海のマガダン沖大陸棚開発への参加を日本企業5社に持ちかけた。ロシアでは昨年12月、アジア諸国に原油を輸出する「東シベリア・太平洋パイプライン」(ESPO)が開通。2018年にも極東ウラジオストクで液化天然ガス(LNG)プラントを稼働させる計画で、日本企業の参画について交渉が行われている。これらの事業はいずれも主要輸出先として日本を想定しており、ロシア側では極東から天然ガス・パイプラインや電力ケーブルを日本向けに敷設する構想まで浮上している。
米国の「シェールガス革命」を受けて欧州市場でのロシア産天然ガスのシェアは低下しており、アジア諸国への販路拡大はロシアにとって急務だ。石油についても西シベリアの主要油田が産出のピークを過ぎ、極東・東シベリアなどに開発の軸足を移さねば現状の生産水準は維持できない。ロシアが日本に秋波を送る背景にはこのほか、石油・天然ガスの輸出が中国向けに偏った場合、中国に価格決定権を握られてしまうとの懸念もある。
ただ、こうしたロシアの対日接近が、北方領土問題の解決に結びつくかは別問題だ。「エネルギー安全保障上、ロシア産資源の適正な比率についても議論が必要になるだろう」(日露関係筋)との指摘もある。