「国はずっと逃げ腰」=拉致被害者家族会、飯塚代表―17日で日朝首脳会談10年
時事通信 [9/15 15:25]
北朝鮮にいると分かっていて、なぜ助け出せないのか―。北朝鮮が日本人の拉致を認めた日朝首脳会談から17日で10年がたつ。「国会も政府もずっと逃げ腰だった」。拉致被害者の親らが結成した家族会代表の飯塚繁雄さん(74)は、10年間の国の取り組みに不信を隠さず、先の見えない闘いが続くことへの焦りとむなしさを訴えた。飯塚さんは、1978年に拉致された田口八重子さん=当時(22)=の兄。横田めぐみさん=同(13)=の父滋さんの後を継ぎ、2007年11月から代表を務める。
家族会の活動は首脳会談後から活発化した。全国で署名集めや講演を重ね、署名は今年中にも1000万筆に達する。スイスの国連人権委員会や米国のブッシュ前大統領にも協力を訴えた。 「仕事をしながら土日もなく活動した」が、被害者5人の帰国後の10年間で救出はゼロ。残りの被害者を「死亡」とした北朝鮮の説明に多くの矛盾が判明しても、再調査さえ実現していない。
拉致問題が全く進まなかった原因について、飯塚さんは「国の最重要課題としながら、実際の対応がなかった」と指摘。毎年のように首相が交代する不安定さも問題だが、それ以上に「政府も国会もマスコミも、北朝鮮を相手にやりにくい、面倒くさいと、ずっと逃げ腰だった」とみている。10年間を振り返り、飯塚さんの胸を占めるのはむなしさだ。「自分たちの活動が帰国にどう結び付くのか」と自問し、体力と精神の両面で疲労も実感。 「目的や経過がはっきりしたら感じないだろうが、先が見えないので余計に疲れる」という。
それでも、この問題は政府にしか解決できない。4年ぶりに再開された日朝協議に望みをかけ、「戦術・戦略をきちんと練り、期限を設けて進めてほしい」と注文を付けた。