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焦点:ギリシャに迫る悪夢のシナリオ、「ドラクマゲドン」襲来か
ロイター [5/20 14:04]
5月18日、ギリシャのユーロ圏離脱が現実味を帯びる中、離脱すれば混乱や飢餓も起こり得るとの見方が出ている。ギリシャの首都アテネでは、ホームレスの数が1年前と比べ2倍になった。何か売れるものがないかと、ごみ箱をあさる人の姿も見られる。

ギリシャは限界が近い。緊縮財政策をめぐって四苦八苦している状態だが、これは悪夢の前触れでしかない。ユーロ圏からの離脱ということになれば、ギリシャには混乱や飢餓が訪れ、場合によっては無政府状態になる可能性もある。ユーロ圏から離脱した場合、ギリシャは単一通貨のユーロ導入前に使っていた「ドラクマ」を再び使用することになるだろう。新ドラクマの価値は最大で70%下落し、インフレが進行、金融機関は破綻し、貿易は崩壊すると推測される。だが、債務危機が一般的なギリシャ国民にどのような影響を及ぼすのかを予想するのは容易ではない。

ギリシャは国内で消費する食糧の約40%を輸入に頼っている。石油や天然ガス、医薬品の輸入依存率も非常に高い。ギリシャ中央銀行のプロボポラス総裁は、ユーロ圏から離脱すれば、その後の混乱で海外からの物資供給はなくなり、生活に必要な物が急激に不足することになると指摘する。何とか物資を調達できたとしても、価格は驚くほど高くなるだろう。<悪夢のシナリオ>

「燃料がなければ、軍や警察は車両を動かすことさえできなくなる」。プロボポラス総裁は、ギリシャはユーロ圏離脱で、初めのうちは悪夢のシナリオを味わうことになると説明した。元財務相のパパントニウ氏は昨年7月、ロイター・インサイダー・テレビのインタビューで移民問題について予見。「ギリシャは1100万人の国民を養うことができなくなる。大量の移民が生まれるだろう」と語り、完全な無政府状態が訪れると警鐘を鳴らしていた。実際、昨年ギリシャからドイツに渡った移民は、前年比90%増の2万3800人に上った。

また、ギリシャは5年目のリセッション(景気後退)に突入しており、国内のビジネスマンが置かれている状況はすでに厳しいものになっている。「物資の不足が現れ始めた」。文房具などを輸入している女性が訴えるには、「フランスやスペインの業者は信用取引を継続してくれているが、ドイツの業者は特に厳しく、取引を拒み始めている」という。ギリシャの小売連盟ESEEは、「海外の取引先は、ギリシャのビジネスマン個人を信用していないのではなく、ギリシャの銀行を信用していないのだ」と指摘した。

ギリシャは機械類やソフトウエアなどを基本的に全て輸入に頼っているため、ユーロ圏から離脱して価値が下落した新ドラクマを採用するようになれば、企業は成長することができなくなるだろう。

輸入業者の1人は、「ドラクマが再び使われることになれば、誰も海外とは仕事ができなくなる」と語る。「(離脱の)翌日には会社を閉めなければならないだろうし、他の数千の企業もそうなる」と危機感を募らせた。